NHSで腹腔鏡手術体験
約3週間前(8月25日)地元ヨークシャーNHSの病院で腹腔鏡手術を受けたので、忘れないうちに体験を記しておこうと思う。
今回私が受けた腹腔鏡手術は、お腹に数カ所小さな穴を開け、小さなカメラを入れて映し出される映像を見ながら、他の穴に入れた器具で手術をしていくというものだ。
私の病名は子宮内膜異型増殖症というもの。
去る5月の初め、子宮鏡下手術といういわゆる内視鏡で子宮内部を観察しながら子宮内ポリープの除去手術を受けた。
これは日帰り手術で、手術時間も20分くらいの短い手術であるが、痛みを伴うので全身麻酔で行われた。実は同じ手術を2年前にも受けたことがある。
2年前の手術の時は、術後3週間頃に病院から病理結果のレターが来て、異常なしとのことだった。
今回も3週間くらいでレターが来るだろうと思っていた。
ところが、今回は術後2週間でレターが来て、そのレターは病理結果ではなく、病院へ呼び出しレターだった。
1週間後の土曜日の午後の病院は、救急外来以外はお休みなので、とても静か。
病院を訪れる人達は、殆どお見舞い関係の人々に見えた。
レセプションで待合室の場所を聞いて向かってみると、そこには2人しか居なかった。そのうち1人は子供で、しばらくするとその子の母親が診察室から戻ってきた。
次の人が診察室に入ると一人になったので、待合エリアを改めて見回してみた。
そして気がついた。ここはがん患者専用エリアだった。
「あーそうか、とうとう私も出ちゃったのか」と悲しい気持ちになった。
そもそも、緊急呼び出し且つ病院が休みの土曜日のアポイントメントということで、既に嫌な予感はしていた。
手持ちぶさたになったので、相方にメッセージを送った。
「今、私はがん患者専用エリアに座ってる。」
程なくして、そのエリアの奥の方の診察室へ呼ばれた。
もう覚悟はしていたので、何言われても動揺しないように気を張って、ドクターの言葉を待った。
「先日の子宮鏡手術の際にした掻爬(子宮内膜を掻き出して細胞採取)の結果、細胞に異変が見つかりました。子宮内膜が厚くなる病気を子宮内膜増殖症というのだけれど、あなたの場合、さらに細胞が異変していました。単純型と複雑型の2種類があって、あなたの場合は複雑型でした。(つまり一番危険性が高い)
ああ、言っておくけど、まだガンじゃないからねー!でもね、このまま放置するとガン化する可能性大なので、早急に手を打つ必要があります。
選択肢は2つ。
まずミレーナというコイルを入れて様子を見る方法。(ホルモン療法)
そして、子宮全摘する方法。この病気は卵巣からのホルモン(エストロゲン)が関与しているので、基本的に卵巣と卵管も同時に摘出になります。
さぁ、どうしたいですか?」
急にどうしたいですか?と聞かれても、すぐに答えが出せないので、まずメリットデメリットについて尋ねてみた。
ミレーナの場合、3ヶ月に一回取り出して細胞チェック、その後またミレーナを入れて次の3ヶ月後にチェック、で、また入れてその後は6ヶ月にチェック。。治療終了期間はどのくらい掛かるかは状況によるとのこと。
子宮卵巣全摘の場合、一回痛い思いはするけれど、その後は病理結果によるものの普通の生活に戻れる。ただし、卵巣全摘なので更年期障害になる可能性有り。
今の状態だと、腹腔鏡手術が出来るので、術後の痛みは少なく回復は早い。
痛いのは嫌だけど、まぁ痛みが少ないのであれば子宮卵巣全摘の方が、後が楽でいいかなと思った。
ミレーナの場合、良くなってもまたいつ再発するか分からない。
子宮がなくなるのが嫌だとかの未練は全く無し。
20代前半で既に先天性ホルモン異常の診断を受けていたので、いつかはこんな日が来るのではとはボンヤリ思っていた。
そこで、子宮卵巣全摘手術を即断した。
ドクターもどうやらそちらを勧めたかったようだ。
将来的にもこちらの方が健康的に生活していけるとの判断であった。
そうと決まれば早いもので、アシスタントさんから手術の説明資料と同意書を手渡されて帰宅した。同意書はサインして後日病院へ持っていった。
気分的にスッキリして自宅に戻ると、神妙な顔つきをした相方が犬を抱いて待っていた。そういえば、がん患者待合エリアでメッセージを送った以来、すっかり忘れていた。相方は私が絶望感で帰宅するかもしれないと思っていたらしい。
その診断の日から2ヶ月以内に手術の予定だったが、1ヶ月遅れの8月下旬に手術決行になった。
術前アセスメント(説明?)で血液検査や心電図取ったりと検査をして、その後、術前コンサルトさんから手術に関する様々な説明書を手渡された。
麻酔の説明、手術前後の説明、回復までのプロセスやリハビリの仕方など家に帰ってから全部読み終えるのに1時間くらいかかってしまった。
この時に質問しまくって不安要素を解決した。
多分、誰もがすると思うけど、同じような手術をした人の体験談などを読んでみた。英語での体験談が殆どみつからなかったので、日本での同じ手術を受けた人たちのブログなどを読んでみた。
しかし、実際アセスメントでは違う説明が多かったので疑問に思ったことを聞いた。例えば日本の場合、手術後に水分を取れないとか、前日に入院して下剤を飲まなければいけないとか。
イギリスでは手術前日泊は無い。以前は手術前に下剤を出していたことがあったが今は無い。手術後、水分はいつでも取れる等。
日本では入院は1週間近くあるらしいけれど、イギリスでは基本1泊2日である。
ただし、その時の回復状況次第とのこと。
もちろん、手術前の飲食制限はある。
私は午後の手術だったので、当日朝7時までに朝食を済ませ、11時以降は水分も取ってはいけないとのことだった。
ここで面白いなぁと思ったのが、渡された説明書に「手術前日は炭水化物の夕食が望ましい。パスタなど」と書かれていたので、指示通りにパスタを食べた。
今は手術前のPCR検査の代わりに当日自宅で抗原検査(LFT)をして結果報告してくださいとのことだった。
前日は緊張で眠れないかと思いきや普通に眠れて、朝6時過ぎに起きた。
抗原検査は陰性。
7時までに朝食を済ませなければいけないので、クロワッサンとコーヒーで済ませた。
病院へ12時に来るように言われたが、それまで暇なので犬の散歩をしたりして時間を潰した。クラリネットの練習もしようかと思ったが、お腹が空くし喉が乾くので控えた。
病院へ行くと控え室に通され、そこで入院服?に着替えて待っているように言われた。するとまず執刀医が来て手術の手順を説明した。術前アセスメントと同じような内容であったが、一つ違ったことがあった。
「お腹に1cmくらいの穴を4箇所開けてカメラを入れます。まず最初に細胞採取します。そしてすぐ顕微鏡で細胞のチェックします。もし、そこで異変細胞が出ていたら、手術は中止になります。」
それから、面白かったのがマジックペンを渡され「おヘソの上に矢印↓書いて下さい。手術の際に間違いが起きないように」とのことで、黒マジックでお腹に↓を書いたのは人生で初めてだった(笑)
子宮内膜異型増殖症は実はがんに近いグレー判定らしい。
precancerous cell(前がん細胞)日本語では子宮体がん0期とも言われることもあるそうだ。
子宮体がんの場合、手術で摘出して病理検査をしてみなければ、その進行具合を把握することができないとのこと。
そして、異型増殖症の場合、既にガン化している割合が30%くらい。
だから、執刀医の説明にピンときた。
しばらくすると麻酔医が説明に来た。
全身麻酔も今回が3度目なので真新しいことは無かったが、術前アセスメントで説明された脊椎麻酔の説明が無かったので聞いてみた。
すると、「執刀医によって脊椎麻酔はしないことがあります。確認しますが、脊椎麻酔についても説明しておきます。」
麻酔医が出て行くと、手術開始まで暇だった。
本を読んで時間を潰していると、看護師さんが呼びにきた。
「さぁ、時間ですよー!」
院内を看護師さんとお喋りしながら手術室まで歩いて行った。
何かで読んだけど、今は歩ける限りストレッチャーなどには乗らずに歩いて行くそうだ。以前の手術の時も同様だった。
自分で歩いて行くほうが、心理的に手術前の緊張感が緩和されるらしい。
手術室(麻酔室)は前回と同じ場所。
麻酔医と助手さん達がお出迎えしてくれた。
手首にはIDが付いているものの、手術前は何度も名前と生年月日で本人確認がされる。この辺りの徹底具合は安心できる。
今回も前回同様、テキパキと腕に管が入れられ、心電図や血圧計が装備されていく。
先ほどの麻酔医が「今回は脊椎麻酔は無しでいきます。」と教えてくれた。
脊椎麻酔は術後でもしばらく痛みを感じないが、脊椎に注射するのはちょっと怖いので無くて良かった。(以前に脊髄液取られたことあるので、さほど痛くないのは知っていたが)
今回の手術は前回よりも長く時間が掛かる。
予定は1時間半くらいだと言われた。
時計を見ると午後2時少し前。
まずいつものように酸素マスクをされ「手の甲から麻酔入れていきます。少し冷たく感じますよ。。」と言われたけれど、手の甲がジンジン冷たいというより痛い感覚になってきた。
今回は一応大手術だから麻酔も多いのかな?とか思いつつ、前回よりいっぱい酸素吸って、ギリギリまで目開けておこう。。と思ったけれど、寝落ちたようだ。
名前呼ばれて目を開けると、猛烈に気持ち悪い。しかも寒くて震えが止まらない。お腹も痛い。
「今、痛さでいうと10段階でどの辺ですか?」と聞かれ「7くらい。。気持ち悪い。。寒い。。」と朦朧としながら出ない声を振り絞って答える。
ちらっと時計が見えた。6時半?
「痛み止めと吐き気どめ入れますね。。」と言われ、また寝落ちた。
目が覚めると、まだ気持ち悪い。寒い。お腹痛い。
「痛さどうですか?」と聞かれるも「痛い。。気持ち悪。。寒。。」
「最後の痛み止めのモルヒネ入れます。。」と聞こえたけれど、寝落ち。
遠くに「呼吸してください」という声が聞こえた。
目が覚めると、気持ち悪さも寒気も無くなっていた。布団の中に布団乾燥機のようなヒーターが入っていた。鼻には酸素チューブ。
お腹の痛みはだいぶ楽になっていた。
時計が見えた。8時半?9時半?
朦朧としていたけれど声が聞こえた。
「担当医に最終チェックしてもらいますね」
「もう落ち着いたので、病室に向かいます。」
病室に着くとすっかり外は暗くなっていた。
どうやら4人部屋の窓際。私の両足に血栓防止のためのマッサージ器みたいなのが付けられて、定期的に空気が入って圧迫していた。
お向かいの方が傷が痛いのか、看護師さんとの話し声が聞こえる。
カーテンで仕切られているので分からないけれど、もう少し遅くなってからお婆さんらしき人が運ばれてきた。4人部屋だが、患者は私を入れて3人のようだ。
しょっちゅう血圧測りに看護師さんがきて、点滴が外された代わりに痛み止めをくれたので飲んでそのまま就寝したが、朝6時頃に目が覚める。
お腹が空いているので、朝ごはんが待ち遠しい。
ご飯の前に看護師さんがカテーテルを抜きに来てくれた。
何気に痛いカテーテル。これが無くなるとスッキリ。
「朝ご飯ですよー!シリアル、トースト、ポリッジ(オートミール)がありますが、何がいいですか?」と尋ねられたので、ポリッジを選択。ハニーをたっぷりかけてもらった。お腹は空いているのに、お腹が張っていて簡単に食べられない。
ふと気がついた。舌が痛いし痺れている。
鏡で見ると舌の先左側が腫れている。その裏は傷ができていた。
手術中の人工呼吸器で傷がついたのだろう。
でも食欲が優っていたので完食。お茶をもらって寛ぐ。
朝の回診でドクター達が病室を訪れてきた。
私の執刀医ではないが、担当のドクターが来て傷口の診察、問診、手術の見解を話してくれた。職場に提出する6週間のsick note(病気証明書?)も書いて貰った。
カーテンは引かれているが声は聞こえるので、お向かいの患者さんも私と同じ手術を受けたようだ。
お互いドクター達との会話が聞こえていたので、同じ手術をした者同士お喋りするようになった。私より5、6歳年上のお姉さんだ。
「舌切れていて痛いんですよ」というと、お向かいのお姉さんも唇が少し切れていたそうだ。
私のいた病室は男女ミックス病棟だが、部屋ごとに男女分けされていた。
そういえば、相方に連絡するのをすっかり忘れていたので、メッセージを送った。
相方曰く、前日もう手術は終わった頃かと病棟に電話をしたらしいのだが、まだ手術中と言われたらしい。その時点で夕方5時半頃だったそうなので、私の手術は実際は4時間くらい掛かったらしい。
ドクター回診時に手術見解で、手術中に腸に小さな傷を付けてしまったので縫合したと言っていた。腹腔鏡手術ではたまにあるらしいのは説明を受けていたので動じず。恐らくその分時間が掛かったのかもしれない。
夜勤の看護師さんから交代した担当の看護師さん達が2人が挨拶に来た。
どちらもフィリピン系の看護師さんのようだ。とてもとても優しい。
イギリスのNHSなので、いろんな人種の人たちが働いている。
それが当然なので普段気にしたことは無いが、イギリス事情を知らない方達もいるかもしてないので、あえて触れておく。患者さん達の方も私を含めいろんな人種である。
看護師さんの一人とベッドのシーツを替えてくれている間にお喋りをした。
彼女は長い間ドバイに住んでいたらしい。今はイギリスに住んでいるけれど、家族がドバイにいるらしく、最近ホリデーでドバイに行ってきたんだよーと話していた。ドバイ暑かったけど、今年の夏はイギリスも暑かったよねーと(笑)
フィジオ(理学療法士)さんが来て、回復に向けてのリハビリ等を指導してくれた。お腹が張っているし傷が痛いのでベッドから起き上がるのも大変である。
回復を早めるために歩く練習を提唱される。
少しづつ歩いてなんとか病棟のトイレまで行った。
カテーテルを抜いた後はトイレも一苦労。
どのくらいお腹に力入れていいか分からない。時間かけての排尿訓練。
とにかくお腹が張って苦しい。
お向かいのお姉さんとお互いの状況について情報交換。
お姉さんも苦労しているようだ。
ランチはオレンジジュースとムサカを食べた。
お腹は張っても食欲はある。でも食べると更にお腹が苦しい。
病棟担当責任者さんが来て、回復状況を尋ねてきた。
お腹張って苦しいので、とてもこんな状況で退院するのは不安と伝えると、入院延長OKになった。
お向かいのお姉さんも同じく入院延長。
病棟担当責任者さんが「今の症状緩和の為に何か希望はありますか?」と聞かれたので、とにかくお腹の張りと排尿困難について説明するとエコーで膀胱内の残尿検査をしてくれるとのこと。
お向かいのお姉さんも同じ検査希望。
エコーをするとトイレ直後でも膀胱内残尿が多いので、水分取ったり歩行練習してトイレ回数を増やすように言われた。
病棟内をゆっくり歩いて何度も往復した。
シャワーは手術の翌日からOKで、シャワー室を自由に使うことが出来た。
お腹の傷は縫われた上から医療用接着剤でとめられているので、水が入ることは無いとのこと。糸は抜歯不要のそのうち溶ける糸。
タオルは看護師さん達が持ってきてくれて、新しい入院服に交換。手術用の服よりも少し快適な服。赤い柄のネグリジェみたいでちょっと可愛い。
お茶の時間にお茶を頂いて、少し椅子に座ってiPadで動画観たり本読んだり。
Wifiがサクサク動くので快適。
そうしているうちに夕食。
入院すると翌日の食事からはメニューが貰えて事前に選択するシステムになっている。でも、この日は入院1日目なので選択肢はあまり無い。
翌日の食事のメニューは配られたので選択した。
この日の夕食はエッグマヨサンドウィッチとジュース、デザートはアイスクリーム。少しづつ食べられるようになってきた。
食後はやはりお腹が張って苦しい。お向かいのお姉さんと苦しさシェアし合った。
この日から血栓防止の皮下注射を打たなければならない。
針の長さは2cmほどだが、結構痛い。
看護師さんに打って貰ったが、引き続きあと6日間、退院したら自分自身で、もしくは誰かに打ってもらわなければならない。
血栓防止の着圧ソックスは履いているけれど、それだけでは足りないらしい。
自分で注射するなんて絶対無理なので、相方にやってもらうことにした。(勝手に決定)
病院の夕食時間は早い。
再びお茶飲みながら寛ぐ。
4時間おきくらいにお薬タイムと血圧チェック。
それにしても暇である。
歩く練習してもお腹の張りは良くならず、とにかく苦しい。
お向かいのお姉さんも「今夜はお互い長い夜になりそうだねー」と苦しそう。
真夜中にまた誰か病室に運ばれてきた。
カーテンで仕切られているから見えないが、結構声が大きい人のようだ。
そして、いびきが凄かった。
それでも、割と眠れたようで気がつくと朝だった。
朝になると、お腹は張っているものの少し楽になっていた。
お向かいのお姉さんも「なんか少し楽になったねー」と言っている。
朝ごはんは再びポリッジを選択。今日もハニーたっぷりで。
エコーでも膀胱内残尿が想定内に収まっていた。
朝の回診で傷口のチェック、切れた舌も診てもらった。
特に問題なしなので、退院許可が出た。
「腹腔鏡手術だと傷跡が小さいから実感湧かないかもしれませんが、臓器取っているんですからね!大手術なんですよ!くれぐれも無理はしないように!」
大丈夫、無理どころか、まだちゃんと歩けないです。
何時に退院できるかまだ未定だったので、とりあえず、シャワーを浴びてさっぱりすることにした。
シャワーから戻ってくると、「もういつでも退院していいですよ」と言われたので、相方にメッセージで迎えをお願いして荷物をまとめた。
ほどなくして、相方到着。
例の血栓防止の皮下注射のやり方を看護師さんに教えてもらい、大量な薬と使用済注射針を入れる黄色い蓋つきバケツを貰って退院。
2日ぶりの外はお天気が良くて気持ち良かった。
とにかく、早く犬達に会いたい。
家に入った途端、犬達に飛びつかれないように、まず相方が犬達を庭へ誘導。そして私もこっそり家に入った。
私を見つけた犬達のはしゃぎよう。。とりあえず退院できて良かった。
相方はすぐに私の職場へ6週間のsick note(病気証明書?)を届けてくれて、しばらくして上司から優しい気遣いのメッセージが来た(涙)
最初の1週間はゆっくりしか動けないので、軽い散歩の他にはソファに座ってNetflix観たり、お昼寝したりで1日が終わっていった。
飲み薬は3、4時間おき、夕方は例の怖い血栓防止皮下注射をやらなければならない。
初めて注射を打つ相方の方もかなりビビっており、手順を一緒にシミュレーションした。
お腹を強く摘んで、そこに針を刺し、ゆっくり数を1、2、3と数えながら注入していく。
ところが、緊張しすぎた相方は123と早く数え過ぎて1秒くらいで注入したので、私の方もギャーって叫ぶほど痛かった。その後青アザが出来た。
翌日はまたシミュレーションして、ようやくゆっくりと注入できるようになった。
注射を打つたび、私のお腹は青アザだらけになっていった。
私たちの様子を見ていた犬が、恐らく相方が私を虐めていると誤解したらしく、注射の時間になると、ワザと私と相方の間に入って注射を阻止しようとしてくるようになった。5日目の注射の時は、相方の足に抱きついて阻止しようとしていたが、なんとか6回目の注射まで無事終えることが出来た。相方も犬もお疲れ様でした。
使用済み注射針は蓋つき黄色いバケツに入れて、近所の薬局で処理お願いしてきた。
退院してから朝目が覚めると左手の甲が腫れていて痛い。手術中に点滴の管が入っていた方だ。
2、3日しても腫れているので、GPにメッセージを送った。
「手の甲の写真撮って送ってください」と返事が来たのですぐに送った。間も無くGPから電話が掛かってきた。まだ腫れてはいるが、感染症とかでは無さそうなので腫れは引いてくるでしょう。点滴の後にはたまに腫れることがあるので。心配しなくて大丈夫ですよ。とことだった。
卵巣を取るので、すぐに更年期障害が出てくるかもしれませんと説明を受けていた。気分が目まぐるしく変わって、突然泣き出したり、イライラしたりしたらどうしよう、と不安であった。
術後3週間過ぎたが、どうやらそのような兆候は出ていない。
その代わり、話には聞いていたホットフラッシュがやってきた。
突然、顔や身体が火照って暑くなる。で、また寒くなってきたかと思うとまた暑くなるを繰り返すようになった。
重ね着をして何度も着たり脱いだり、暑くなったらアイスを食べてみたりして対策中。
この冬はガス代が高騰すると言われているが、自分で勝手に暑くなるので暖房費節約出来るのでは?とか考えたりしている。(多分、そんな訳ないが挑戦中)
リハビリの為、毎日犬達連れて散歩の距離を伸ばしている。
今は大体2kmから4kmくらい歩くようにしているが、少し頑張りすぎると疲れ過ぎて目眩がする。それでも、昼寝をしなくても大丈夫なぐらい体力戻ってきた。
まだ重いものを持ってはいけない。朝のコーヒー豆を弾けないので、相方にお願いしている。
食事も最初の1週間は相方任せだったが、今は大分できるようになってきた。
ショッピングは車の運転も1ヶ月は禁止かつ重い物持てないので相方任せ。
手術後3週間経って、お腹の傷は良くなってきたがお腹自体はまだ腫れている。
完全に腫れが引くまで12週間くらい掛かるそうだ。
子宮全摘すると、排尿障害が出る場合があると聞いたので心配していた。
私の場合、障害というほどでは無いが何かが少しおかしい。
急にトイレに行きたくなったり、なかなか排尿出来ない時があったりと完全に回復はしていない。
先日ずっと不安であった病理結果のレターが届いた。
「子宮内から異常細胞の検出は無し。卵巣、卵管共に異常無し。よって、追加治療無し」
がん細胞は出なかった!やっと安堵した。
ひとまず、これで暫くは平穏に暮らせる(涙)
この時点でがん細胞が出なかったのであれば、ミレーナによるホルモン療法でも良かったのでは?と思うかもしれない。
でも、異常細胞が無くても、子宮内膜増殖症であることには変わりないし、異型細胞がまたいつ再発するか分からないという心配事を抱えて生活していくのは嫌だったので、今回全摘して良かったと思う。
最後に、今回の手術と入院はNHSなので、全て無料。
いつものことながら、お世話になって大変感謝している。
同じ病気を抱える方、腹腔鏡手術に不安がある方、イギリスの病院(NHS)に初めて掛かることで不安がある方達の少しでも参考になれば幸いである。
長々と読んでいただいてありがとうございました。
社会復帰まであと3週間のリハビリ頑張ります。
読んで下さってありがとうございます💝