どこにでもある家族の話

私がまだ生まれて間もない頃、両親が離婚して父方の家に引き取られた。私は母の顔は一切覚えていないし、一度も会ったことも、今どこに住んでいるのかも全く知らない。

父はアダルトチルドレンの典型のような人で機嫌が良い時だけ私の遊び相手になり、機嫌が悪い時(主に金銭問題)は私や祖母(父の母親)に当たるような人だった。浮き沈みの激しい職についていた為大抵は金が無く祖母にせがみタバコ代や酒代を貰っていたし、酷い時は私が貯めたお金にまで手をつける事があり、小学生低学年にしてこの家に生まれた事を死ぬほど後悔した。

祖父は大兄弟の末っ子の為我儘で亭主関白が酷く、祖母に対して当たりが強く子供の私にも厳しい人だったが、休日は私を遊びに連れて行ってくれたし自転車の練習も付き合ってくれた。引き取られた私を育ててくれたので感謝はしている。

祖母は動物が好きで世話好き、私を引き取ってから今日まで自分の本当の子供のように育ててくれた。お節介がすぎるので面倒ごとも引き受けて損をするタイプであり、幼い頃から苦労を重ねているからか自分の事に鈍感。

ここから先は

1,930字

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?