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遠くに行きたい衝動
「遠くに行きたい」
中3の受験期あたりから、ずっと思っている気がする。
理由はわからない。ただ、とにかく遠くへ行きたいのだ。
今日は、11月から待ちに待っていた鳥取への秘境旅のはずだった。
目的地はスーパーすらない小さなまち。ここは美しい山々に囲まれていて、まちのどこにいても小川のせせらぎが聞こえるという。そして、伝統文化が根付く歴史あるまちでもあり、若者たちが集えるゲストハウスがあって、月に一度は地域の異世代みんなで囲炉裏を囲み、わいわい鍋をつつくコミュニティもあるという。私は、そんな説明を受けてすっかり心を鷲掴みにされてしまった。(ああ改めて言葉にするだけで行きたくなる。きれいな場所なんだろうなぁ、こんなにもますます行きたくてたまらない場所になった理由がまさかの大雪で行けなかったからなの皮肉すぎる…)
あまりにも悔しいので、東京駅から帰宅中の電車の中で、今となっては用なしとなったパンパンのスーツケースを尻目に勢いに任せてこの文章を書いている。
唐突だけど、とっさに今思うやりたいことを並べたくなった。
・何よりもちろん鳥取リベンジしたい!!
・白川郷行きたい
・日本の田舎行きたい
・離島行きたい
・関東離れたい、(住んではないけど)東京離れたい、ゆったり過ごしたい。
未来を意識し続けなきゃいけない生活に疲れた。”今、ここ”に意識を向けるだなんて綺麗事だと思ってたけど、なにもないがあるまちに行ったら意外と意識できるのかも、なんて思った。いや、それこそ綺麗事なんだろうけど。
・地方に数ヶ月〜半年、1年くらい住みたい。
もし大学を辞めるとしたら(例え話)、いろんな地方を転々としてみたいと思う。なんでだかはわからない。だからこそ今回行くはずだった鳥取旅で、この気持ちの正体を知りたかった。祖父母の家の庭で自然と戯れながら遊ぶのが大好きだった幼少期の原体験が影響していそうだけど。
・とりあえず一旦全部リセットしてみたい、のかも。価値観とか。
なにかに固執してしまうと、私はそこにしがみついて離れられなくなってしまう。私がこれまで信じてきたこと、積み上げたもの。
それは既に過去のものだとしても、今の私に合わないものだとしても。
いや、私の価値観はこれなんだ、1年前に信じていた私は揺るがないはずなんだ。そんな心の叫びだけが取り残されている、今である。
・カメラを始めてみたい。
一眼の映りに憧れがある。今日、初めて一眼を使って写真を撮らせてもらった。ずっしりとした重さ。電子音ではない本物のシャッター音。そしてやっぱり、画質が良い。スマホ撮影よりも「この一瞬を切り取ってやったぜ」感がすごい。ちょっと手間をかけて、自分の感性を一枚に収めてみる…あ〜やっぱり楽しそう!いつかカメラ欲しいな、お金貯めなきゃなぁ〜
昨日たまたま見つけたYoutube。サムネも編集もどタイプすぎた…!!
こんな撮影編集ができるようになりたいし、こんな旅がしたーい!!
・ZINEを作りたい。
ZINEというものを知ったのは、小学校のとき。
当時から仲良くしてくれているイラストレーターさんが出していた冊子をはじめ、ことあるごとに作り手の世界観が詰まったZINEに触れていたから、それ以来ふつふつと憧れの気持ちが湧いている。
幼稚園の頃から物語を考えるのが好きだったし、小学生のときにはおばけやねこの形をした手作りキャンドルたちを並べて写真絵本やゆるアニメを作っていたから、なんだかんだ小さい頃から自分の世界観をかたちにすることが好きなんだよな。
今でもnoteを書いたり写真に興味が湧いたりジャズダンス作品の一部になるのが楽しかったりするのは、全部ここに行き着いているのかも。
・・・
改めて、旅の話。
いったい非日常と日常の境目はどこなんだろうか。
慣れない土地に滞在し続けたとして、どこから惰性が発動するんだろうか。
”旅”と”住み続ける” ”生活する”は絶対に違うと思う。
私を突き動かしている”遠くに行きたい”という気持ちは、単なる憧れ、幻想にすぎないのか、それとも本当に今の暮らしになにか違和感があるのか…
また、あくまで”旅”という、言わばちょっとした非日常として訪れるよそ者の私たちが、”住み続ける” ”生活する”を日常としている地域住民の方々の感じる苦楽を、いったいどこまで理解できるというのか。私たちはまちの魅力も苦しみも、簡単に”知ったかぶり”ができてしまうのではないか―
そうそう、今回の鳥取旅ではそんなことを考えてみたかったのです。
こんな、小さくも存在感のあるモヤモヤを心にとどめながら今回の鳥取旅を楽しみにしていたのだけれど…。
この問いたちの答えを探るのは、ひとまずお預けになるみたいです。
わ〜〜!!絶対に5人で鳥取リベンジするんだから!!!!!
遠くに行きたぁぁ〜〜い!!!