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機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、自己実現ベネフィットで女性を笑顔にしよう

前回は、、顧客を創造し、維持するために重要なキーワードは「価値・ベネフィット」であるというお話をしました。
https://note.com/happybranding/n/na60331a27826

「価値」はどちらかというと企業視点からの見方、「ベネフィット(便益)」はどちらかというと顧客視点からの見方ととらえることができます。

今回は、このベネフィットについてもう少し詳しく整理していきましょう。


機能的ベネフィットと情緒的ベネフィット

商品やサービスが顧客に与えるベネフィットは、「機能的ベネフィット」と「情緒的ベネフィット」の2つに分けて整理ができます。

「機能的ベネフィット」とは、その商品やサービスの機能面や品質面において、顧客に提供できる便益のことです。

「情緒的ベネフィット」とは、その商品やサービスを見たり、利用したりした際に、顧客が体感できる精神的な側面での便益のことです。

「機能的ベネフィット」も「情緒的ベネフィット」も、企業側のひとりよがりではなく、顧客のニーズに結びついているかどうかが、最も重要なことです。

これだけの説明だとちょっとわかりにくいので、「ノートパソコン」を例に説明します。

ノートパソコンのベネフィットとは


通常、あなたがノートパソコンを選ぶ際は、CPUやメモリ容量、あるいは画面のサイズや重さなど、まずは機能面に着目するのではないでしょうか。いわゆる「スペック」を見て、性能の良しあしを判断しますね。

ただ、それだけで決めてしまうかというとそうではないと思います。たとえば、静かなカフェで仕事をすることを想像すると、キーボードのタッチ音の大きさや軽さも気になります。

また、最近は持ち運ぶことも多くなったので、周りから「できるビジネスマン」とみられるようなスタイリッシュなデザインであることも選ぶポイントになってきています。

このような、キーボードのタッチ音や軽さ、スタイリッシュなデザインなど、スペックだけで表すことができない、使ってみてはじめてわかる精神的な利点を「情緒的ベネフィット」と呼んでいます。

つまり、使う人の感性や感情を豊かにしたり、心地よくする価値が「情緒的ベネフィット」といえます。情緒的ベネフィットは、直接パソコンの性能には関係ありませんが、使う人の好き・嫌いという気持ちにつながる重要な要素といえます。

このように、商品やサービスが顧客に提供するベネフィットは、機能的なベネフィットと情緒的なベネフィットから構成されており、それらのベネフィットを掛け合わせたものが商品価値の総和となり、その価値の大きさで売れる売れないが決まってしまうといっても過言ではありません。

アーカーのベネフィット3分類とは

一方で、ブランドの神様といわれている経営学者のデイビッド・A・アーカーは、このふたつのベネフィットにプラスして「自己実現ベネフィット」を提唱しています。

アーカーのベネフィット3分類と呼ばれる考え方で、①機能的ベネフィットは、商品サービスが持つ機能的な特徴、性質に関するベネフィットです。代表的な視点としては、便利・安い・早い・簡単・軽い・薄い・頑丈などがあります。

次に②情緒的ベネフィットは、商品サービスを通してユーザーが得ることのできる、感情に関わるベネフィットのことです。例えば、安心感・高級感・楽しさ・かっこよさ・スタイリッシュさ・充実感などの視点があります。

そして③自己実現ベネフィットとは、商品サービスを手にすることで可能となる、自己表現・自己実現に関するベネフィットのことです。例えば、自分らしくいられる、自分に価値が感じられる、ありたい自分に近づけるといった視点があります。

たとえば、包丁を例に3つのベネフィットを整理すると、

包丁の機能的ベネフィットとしては「よく切れて便利」「取っ手が滑りにくくて安全」・・・・、

情緒的ベネフィットは「よく切れるのでイライラから解消される」「手を滑らすことなく安心して使える」・・・・・、

そして、自己実現ベネフィットは「良く切れるので料理に自信が持てた」「何となく料理がうまくなった気がする」といった感じです。

最近は、機能的なベネフィットでの差別化が難しくなり、情緒的なベネフィットや自己実現ベネフィットの創造が重要になってきています。どの企業もブランド戦略に力を入れているのはまさにそのためです。

また、女性が消費の主導権の8割を握る時代においては、ますます女性の感性に訴える情緒的ベネフィットや自己実現ベネフィットの訴求が重要になってきます。

機能的ベネフィット×情緒的ベネフィット×自己実現ベネフィット=企業価値であることは、iPhoneを発売するアップル社が時価総額世界一位であることでおわかりいただけると思います。


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