大腸がん ゲームで啓発 医師 石井洋介さん 「便よく見て」早期発見へ


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一風変わったスマートフォン(スマホ)用ゲームの配信が7月にも始まる。女神の問いかけに答えて美少女キャラクターを集めるというありがちな設定だが、女神の質問は「今日の便の色や形は?」という内容で、腸内の細菌を擬人化したキャラクターが敵と戦う。

その名も「うんコレ」というゲームは医師、石井洋介さん(38)らが開発に当たる。若い世代を中心に毎日の便のチェックを促し、女神を通じ便の状態を解説する。がんなど消化器系疾患の早期発見につなげる狙いだ。「名前はふざけているが、目的は大まじめです」

消化器の病気は痛みなど初期症状が出にくく、発見が遅れやすい。異状のバロメーターの一つが便の状態だ。胃がんは黒い便が出ることがあり、大腸がんは便秘と下痢が交互に続くことが多い。…

15歳の時、高熱が出て入院したら潰瘍性大腸炎という難病と診断された。症状が悪化して高校は休みがちになり、卒業後は家に引きこもった。19歳で大腸を全摘出し、人工肛門をつけた。

実は最初の入院の半年前に血便が出ていたが、恥ずかしさから放置していた。「便の状態を深刻に受け止めて早く治療すれば、悪化を防げたのでは」との思いが残る。

20歳で小腸を大腸に代用する手術を受け、元気な体を取り戻せた。「自分も人を助けたい」と消化器系の医師を志し、2年間の猛勉強で高知大医学部に入学した。

医師となってから進行した大腸がんの患者さんと向き合い、限界も感じた。早く治療に来てくれなければ、助けられないこともある。…



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