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橋から空を見る

近くの公園の横には川が流れている。

護岸整備されて美しく、桜並木も続いている。

以前は、岸辺に藪が広がり、ゴミも不法投棄され、近づく人もいなかった。

今は、きれいに舗装され岸辺に降りる階段やスロープまで用意されている。

自転車で水辺まで近づけるので、サイクリングやジョギングにもいい場所だ。岸辺に座っているのも気持ちいい。

わりと大きい川で、橋も近くにいくつもかけられ、橋の町とも呼ばれる。

日曜にはたまにレガッタやカッターのボートの練習風景も見られる。

平日の日中はのんびり釣りをする人も見かける。

やたら幅広の橋は、車道も歩行者道も広く、手すりにもたれてぼうっとしていても誰も気にする人はいない。

橋の中ほどからキラキラと輝く川面と大きく大きく広がる空を見るのが好きだ。

川からは時折、かなり大きな魚が飛び上がり、水音を立てる。

海が近いから、ボラとかいう魚だろうか。水辺に行くと多くの小魚が泳いでいるのがわかる。

橋の上は解放感は素晴らしく、いつも風が吹いている。

風向きによっては磯の香りがすることもある。

ここから流れる雲や、差し込む光を見ていると時間を忘れる。

壮大な夕焼けも見たし、雪の降る風景もなにか物語の中のようだった。

大雨の時は恐ろしい濁流となるこの川も、普段は静かで穏やかな表情だ。

カモやサギ、川鵜などの水鳥と、上空にはトンビのような鳥も見かける。

川辺近くの公園で遊ぶ子供たちも見える。

陰陽の世界では橋は異世界をつなぐものだと書いてあったような気がする。

となると、この橋の真ん中は何だろう。

ここから見える風景が、なんとなくこの世ならぬものに見えるのはそのせいなのか。

見上げる空の光の中に不思議な紅や黄色などのきらめきを感じるときがある。

とても魅力的で、神々しい空の広がりと煌めく水面の光たち。

ここから見える世界はこんなに美しい。

他に足を止める人がいないので、私はいつも一人楽しむ。


絵 マシュー・カサイ「橋から空を見る」 水彩・ペン




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