風に飛ばしてしまえ
いままで悩みのなかった時期はない。
そう長くも感じない人生だが、いつも問題を抱えていた。
たまには歓喜したこともあった。面白いことに熱中したことも。
ただ、大部分の時間は目の前の問題や悩みに四苦八苦していた。
今でも当然ある。自力で解決できない大きな悩み。
いつの間にか、若いころにはなかった眉間のしわ。
NOTE街を彷徨う内に、たくさんの人の人生を覗いた。
自分と同じように四苦八苦している人、必死で前を向こうとしている人、絶望で落ち込んでる人。
なんだ、俺だけじゃないな。俺って普通だったのか。
親近感がじわっと湧いた。無性に声までかけたくなる。
前向きな人も多い。「そうか、そう考えるか。思いもしなかった思考法だ。」
思わずメモに取って壁にピンで突き刺した。
様々な人生のつぶやきや叫びを聞くうちに、慰められていた。
振り返ってみれば、自分の場合、無駄に悩んで膨大な時間を消費してしまっていた。
すぐには答など出ない悩みにただ向き合っていただけ。
人は生きている限り次々と悩みを作ってしまう。
それが俺なんだ。
なら必要以上に悩むのは止めよう。
周りの状況が変わるか、時間が経たない限り、同じように悩んでも答えはない。
チャンスを待つか、方向を変えるか。
無駄に悩んでいた時間をもっと楽しんでいたら。
幸せや満足は、感じようとしなきゃ身近にあっても感じないんだな。
こんなひねこびた俺のちっぽけな悩みなんぞもういらない。
風に飛ばしてしまえ。
吹き飛べ。
絵 マシュー・カサイ「夏日」 ペン・水彩
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