夏の滝 輝く水しぶき
大きな滝の前に来た。
山の中の大滝。
揺れるような、地響きのような滝の音。
圧倒的な水量の迫力。
吹き上がるしぶきと水煙で周りが白く見える。
強い夏の光も白く霞んでいる。
最初はその迫力に息をのんだが、徐々に慣れて近づいてみる。
顔に霧のようなしぶきが飛んでくる。
日差しで熱くなっていた髪も服もしっとりと柔らかくなる。
オゾンなのだろうか、空気がかなり違う。呼吸が気持ちいい。
キラキラと煌めく瀑布。
空気も輝いている。
滝つぼの深く暗い青。
疲れも悩みも吹き飛ばし、目を覚まさせる光と水と滝の音。
素足で冷たい水に入り、手のひらで水をすくって飲んでみた。
こんな場所で滝に圧倒されながら飲む水。
浄化されるんだろうな。
笑顔でお礼のお辞儀をして滝を出た。
足が軽くなってる。
気持ちも軽くなった気がした。
絵 マシュー・カサイ「夏の滝 輝く水しぶき」水彩 P60