街明かり fly me to the moon
夜風に乗って、丘の上のビルの屋上に来た。
ここなら、街が一望できる。
腰掛けて髪を風になびかせながら冷えた夜気を吸い込む。
今宵は満月。流れる雲も美しい。
夜の闇に浮かぶ街の明かり。
都会なのできらめいて明るくて、寂しさは感じない。
静かな月光に比べると、どこか遊園地のような輝きだ。
思わず、口ずさんだメロディー
fly me to the moon
ある時期、とても好きで繰り返し聴いていた。
あの頃の悩み。苦しみ。
思い出が蘇る。
今は遠い昔。
時間という薬は、ある程度は効くようだ。
街明かりは、今日の私にはとてもやさしい。
月までもやさしく見えてきた。
月に向かって飛んでみようかな。
青い光の中を。
絵 マシュー・カサイ「街明かり fly me to the moon」水彩
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