異国の町で
よく知らない外国の街を一人さまよう。
あまりに自分の住んでる環境との違いに恐ろしくなる。
いまここで、この土地で生きていかなくてはならなくなったらまず無理だ。
友人もなく、言葉もわからない自分に、文化の違うこんな異郷で生き抜く術はない。周りの人々も顔が全く違う。恐竜や宇宙人のように感じる。
しかし、時々風景には感動する。おそらく、不安で心細い身にとっては一際風景の持つ美しさが迫ってくるのだろう。異郷の不思議な風景。
聞こえてくる言葉や町の騒音、音楽、こちらを見る眼差し。
ドキドキしながら入った店で得体のしれない料理を始めて飲む酒で味わう。
意外とうまい。ほっとして笑顔が出る。周りの人からもいくつかの笑顔が返される。
不安も異郷の旅を味わうためのスパイスなんだな。
夕暮れの風景が一層美しく見えた。
絵 マシュー・カサイ「幻想のプラハ城」油彩 F20
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