『ありがとう おとうさん おとうさん だぁいすき』
これは、いっしょに 泳いだ『うみ』
これは、いっしょに お散歩した『こうえん』
これは、いっしょに 木の実を拾った『やま』
これは、いっしょに魚釣りした『おがわ』
そして、これは、いっしょに見上げた『そら』
大切にしていた 庭の木々と
『キンモクセイのかおり』
宝物だった 釣竿と
『うみのにおい』
少し大きくなった 私は
新しい世界にワクワクして
少し大きくなった私は
なんだか素直になれなくて
ほんの少し、淋しそうにしている姿を
気になりながらも、
気にしないふりをしていたけど
それはね、キライとか、そういうんではなく
ちいさな頃のように
甘えることが照れくさかったから
ある日、突然、
その日がくることを知っていたなら
もっと、もっと、甘えておけば良かったよ
ごめんね、おとうさん
もう、どんなに ごめんね をくり返しても
その声を聞くことはできないけれど
どんなにいっぱい涙を流しても
その笑顔を見ることはできないけれど
私のことを 大切に思ってくれていた
その愛情は
今も真ん中に
ぽかぽかと、暖かいまま 残っているから
だから、今は笑顔でいるよ
ありがとう おとうさん
おとうさん だぁいすき