学級担任として合唱コンクールにどう向き合うか考えてみた
前回の記事を読んでいただきありがとうございます。私自身、今のクラスの状態が素敵だなと思っていて、どうしたら今のクラスの状態になるのか、過去を振り返りながら分析してみようと思います。
担任として合唱コンクールの指導に悩んでいる先生に参考になる記事になれば、と思います。
1 これまでの合唱コンクール
自分自身、音楽が好きで、中学〜高校にかけて合唱コンクールに燃えていました。ピアノは少し弾けましたが、伴奏者になれるほど上手くなく、指揮者も自信がなくしませんでした。
パートリーダーはしていたかもしれません。
わりと、練習はサボろう!という雰囲気のクラスが多く、コンクール直前の音楽の授業で、やる気がなさすぎると怒られ、そこから2,3日ぐらいでやる気を出し、2位まで追い上げるパターンが多かったです。最優秀賞をとったことはありません。
だからこそか分かりませんが、最優秀まで仕上げるクラスの一体感に憧れのようなものがありました。先生になり担任したクラスについて、記憶の範囲内ではこんな感じです。
1回目 2位
同学年に全国レベルの吹奏楽部の顧問の先生のクラスがあり、最優秀賞は叶いませんでした。
合唱が好きで初担任で何も考えずに熱を入れてしまいましたが、初任者のクラスとしては、なかなか良い感じの合唱に仕上がったと思います。未だに曲もどんな感じで歌っていたかも、覚えています。
2回目 入賞なし
2年目の学級経営も今思えば、上手くできていなかった気がします。1年目で優しくしすぎたのを反省し過ぎて、常に大きな声をだしていました。
今だったら...あのクラスとても面白いメンバーだったのに、と思います。
この年にはじめて聞いて、今は聞かなくなった新曲を選んでいました。
良い曲でしたが、コンクール向けの曲ではなかったかなと思います。
学級経営的な問題はあるけど、曲選びは大事です。
3回目 2位
数年間担任ができなくなり合唱コンクールの時期は寂しい気持ちになっていました。久しぶりに担任に復活し、やる気に満ち溢れていました。
曲は、1年目の時と同じ曲で、1年目を思い出しながら曲作りをしました。
かなり良い感じに仕上がったのですが、惜しくも2位。
このあたりから、選曲がかなり大事だと思いはじめます。
4回目 2位
選曲がかなり大事だと思い始めますが、またしても、かなり出来が良かったのに2位。
後ほど述べますが、中2の合唱コンはCOSMOSか心の瞳以外は勝てないことを学ぶ。
5回目 1位 初の最優秀賞
選曲がかなり大事だと分かったので、クラスの選曲に制限をかけました。
学年として選べる曲から、半分ぐらいに絞り、勝ち曲を選ぶように伝えました。
選曲は最高に良く、子どもたちも1位を目指して必死に練習したため、本番鳥肌がたつレベルに仕上がりました。
が、生徒の感想には、「自分のクラスだけ先生が曲を選んだ」「歌いたい曲が歌えなくて残念だった」「好きな曲じゃないけど賞がとれたからよかった」など、ネガティブなものばかりでさすがに反省しました。
指揮者にも沢山指導して、泣いて帰ってしまったこともありました。
まさに、自分の作りたい音楽を作ってしまいました。素晴らしい合唱だったけど、それで良かったのか?感が今もあります。
6回目 1位 最優秀賞
コロナで数年間、合唱コンクールが中止になり、久々の、再開。5回目の時の違和感から、あまり熱をいれすぎないようにしました。というより、コロナ禍が続いていたため、練習回数がかなり少なく、昼休みや放課後の練習もなかったので、担任が関わる時間が少なかったのがよかったと思います。
曲が簡単で、音楽をやっている生徒がかなり多く、元気なクラスだったので、とても良い感じになりました。
7回目 入賞なし
ここで久々の入賞なしです。
前回の記事にはすこし書きましたが、
またしても、曲を誘導してしまったのと、
クラスの人間関係的に、気を使いすぎていて、生徒同士が思ったことを言えない感じになっていたことが問題だったと思います。またしても、「曲は先生が選んだ」「本当に歌いたいのは別の曲だったのに」と感想に書かれてしまいます。
たしかに勝てる曲だった、明るく元気なクラスだったことを考えると、反省せざるを得ません。
今後は、クラス合唱は放置をしようと心に決めます。
7回中、1位2回、2位が3回、入賞なしが2回。
わりといつも2位のイメージでしたが、大体同じぐらいでした。
そして、今年、合唱コンクールに担任として関わるのは8回目になります。
2 曲選びのコツ
吹奏楽部や合唱部のコンクールでも曲がかぶることがあるように、校内の合唱コンクールでも賞を狙いやすい曲ってあるような気がしています。
所謂、ばえる曲です。
個人的には、
勢いよく終わる曲、中学生が共感できる歌詞の曲がおすすめです。
①後半に盛り上がり、勢いよく終わる曲
曲が終わった直後、審査員の印象に残るためです。
個人的な好みとして、ピアノではなく合唱がffで終わる曲が良いと思います。
ホールに声が響き、余韻にひたった状態で拍手に移る感じが、歌い終わりの達成感につながるのではないかと思います。
HEIWAの鐘
あなたへ 旅立ちに寄せるメッセージ
COSMOS
青葉の歌
聞こえる
大地讃頌
➁ Nコン課題曲系
やはり、中学生が歌ってみたいと思う歌詞か一番良いですよね。
そういった意味ではNコンの中学生部門の課題曲は、アーティストさんが、自分たちのバンドの良さなどを活かしながら、中学生のために曲を描き下ろしているため、人気があります。
ただ...Nコンの課題曲は、合唱部のコンクールのために作られているので、校内合唱コンクールとしては曲作りの難しさがあります。
最優秀賞狙いならおすすめしませんが、やはり人気はありますね。
手紙
結
証
足跡
足跡はNコン曲の中で一番好きかもしれません。
今年の曲も歌詞が良すぎます。
僕らはいきものだから
数年後、中学生のコーラス用の冊子に載ることを願います。
③季節や状況に合わせる
夏のコンクールに歌う、
青葉の歌やHEIWAの鐘はとてもよかったです。
あと、3年生秋のコンクールで歌う、卒業系ソングもおすすめです。あなたへ、旅立ちの日に、あと、Nコン曲の虹や結なども良いでしょう。
3 担任の先生としてのスタンス
そのクラスや学年の状況次第ではありますが、
合唱が得意ではない先生→できる限りで関わる
合唱に詳しい先生→一歩引く
がおすすめです。
私はかつて合唱に関わったこともあり、詳しい方なので、曲決めがかなり重要だと思いつつ、それを生徒に伝えすぎると、生徒のモチベーションを下げてしまうことを学びました。
全体に向かってこうしたら良い、もできるだけ言わないようにしています。
(でも気になるので、アドバイスなどはグーグルドキュメントにまとめ、見たい人だけ見るように言っています。あと、パートリーダーや指揮者には伝えています)
録音や録画は生徒同士ではできないので、手伝っています。
やはり、自分たちの演奏を聞くこと、見ることはかなり大切です。
アドバイスしたのは、きちんと整列した、横並びの状態で歌うのではなく、なんとなく男女が向かい合って歌うこと。
その際、机の移動をさせなくてよい、ということです。
最初の「机早く移動させてー!」「男子並んでー!」みたいな声かけで雰囲気が悪くなるので笑
いつも休み時間になると、なんとなく人が集まり、なんとなく練習が始まっています。
誰が参加していて誰が参加していないかは分かりませんが、だんだん加わっていき、最終的には全員揃っています。
ネガティブな声かけがなくなり、悪い雰囲気にならないのど、机の移動の時間や並ぶ時間を短縮できるので、かなりおすすめです!
向かいあって歌うと、ふざける人が激減しますし、声も揃いやすくなり、一体感が生まれます。
今まで担任やリーダーがしていた、「声を出すように」「大きな声で」「やる気を出して」は逆効果の声かけであるような気がします。
録音して、聴いてみたら、もっと声を出せたらいいね、と自分たちで伝えていました。
そんな感じです。
学年やクラスによって生徒のモチベーションも違うし、声のかけ方は、難しく感じていますが、
自分たちで選曲し、自分たちで作り上げた感はやはり必須であると感じています。
部活動でもそうですが、自分が得意だったり好きなことだと尚更熱が入ってしまって、指導が行き過ぎてしまったり、空回りしてしまうことがありますよね。私も何度も失敗してきました。
生徒たちを見守りながら任せる。学校行事の運営で学んだことが、合唱コンクールの曲作りでも上手くいっている気がします。
今年は、最優秀賞をとることが目的ではなく、生徒の感想に「担任の先生」というワードがでてこないことが目標です。
本番どうなるのか、楽しみです。
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