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「ゲゲゲの謎」と首相会見
先日Netflixで「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を見ました。劇場公開(2023年水木しげる生誕100年記念作品)も大好評と聞いていましたが、昨今の今風の鬼太郎作品ではなく、水木さんの原点の世界を表現した素晴らしい内容でした。
「ゲゲゲの鬼太郎」は公式サイトに日本のカルチャーのひとつとも言える国民的アニメとあるように、誰もが知っている国民的人気作品ですが、私自身も小学生の頃に漫画やアニメを見て以来のファンですし、大人になってからも水木作品全般を読んだり、深大寺の「鬼太郎茶屋」に家族連れで何度も行ったりする水木しげるさん自体の信奉者でもあります。
※聖地境港には残念ながら未だ行けていませんが..。
昔からのファンとして、最近の人間対妖怪対決で人間を助ける正義のヒーローとしての鬼太郎ではなく、漫画や初期のアニメ、また前身である「墓場の鬼太郎」で表現されていた世界観にあったダークさや怪奇性、鬼太郎のある種の生意気さというものに何とも言えない怖さと魅力を感じていたので、この作品には懐かしさと感銘を覚えました。
年齢制限が16歳以上となっており、「ゴジラ -1.0」と同様、原作の趣旨や時代背景を踏まえて大人向けに作られており、水木さんの悲惨な戦争経験から生まれた人間社会への懐疑性や不信感、怒りといった想い、相対的に目に見えないものや人間以外の命への畏敬の念と言った価値観が表現されています。
私見として妖怪は自然現象や人間以外の生き物、呪いや怨念といったものの存在を人間が感じることによって作られたものと理解していますが、そこには人間の傲慢さ、尊大さ、奢りといったものへの戒め、冷笑があります。
今日は終戦記念日です。戦争の不合理さや非人間性、醜さが水木作品の原点であることを思い、犠牲者の皆様への追悼と作者への敬意を表します。また人間には謙虚さが大事であることを改めて感じざるを得ません。
比較するわけではありませんが、昨日の現首相の総裁選不出場会見での言葉や表情には政治家としての謙虚さ、責任感、矜持が感じられませんでした。
きつい表現にはなりますが、感じたのは所属団体へのアシストが最大の仕事だと勘違いした了見の狭さや無責任感、自己満足の奢りです。
各所から指摘されている裏金問題への対応以上に気になるのが、能登地震の復興対策です。半年以上過ぎても厳しい環境が等閑にされているとの報道があり、心配しておりますが、この対応を是非スピードを上げて退任までに大きく進めていただきたいと思います。