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仮想空間
(635文字)
高校卒業してからの学生時代、色々なアルバイトをかけ持ちしてたあの頃、好きなアルバイトがあった。
ホテルの最上階のステーキハウス。
奥に小さなbarがあった。たまに従業員が休むと、繋ぎでアルバイトの私がバーテンダーとなる。
マニュアルを手にしながらの摩訶不思議なカクテル作り。
お客様は出張中の人がぽつり、ぽつり。
仕事が終わる間の通り人。
その一角だけまるで仮想空間の様だ。
※仮想空間の意は、本来snsとは違いますが
一角の空間の意で使わせて頂きます。
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《自分の心内》
出張中のお客様、どこから来たのか?
話しが本当なのか偽りなのかわからない
確かめようとも思わない
まるで仮想空間
その時間のその話しだけを信じる
空いた時間グラスを洗い、振り返って
夜を見る
窓ガラスに映った自分を見る
少し微笑む
椅子をひく音
いらっしゃいませ
BGMが誘う仮想空間へ
サティ: ジムノぺディ第1番
※出典Nobuyuki Tsujii -
ErikSatie:Gymnopedies
どちらから来られました?
お飲み物どうなさいます?
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《お相手への心内》
この時間誠意尽くしますよ。
仮想空間ですから。
内緒話ご安心を厳守致します。
お忘れなく、仮想空間もリアル
へ続いてると言う事。
ひと休みされましたら現実へ
またの更新をお待ちしております。
文末4行以外ノンフィクションです/サブリナ