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心の葛藤との向き合い方:人間行動学の教え - 前編

新たな土地で、新たな自分との出会い

2019年の終わり、私は5年間を過ごした
オーストラリア・メルボルンを去る決意をした。

私の人生、価値観を大きく変えてくれた大切な場所

メルボルンについてはまた別の記事で書きたいとも思うのだが、

とにかくまた新たな土地でゼロからスタートするという希望3割、不安と恐怖7割だったあの頃を思い出すと今でも胸がキュッと絞めつけられる。

国際結婚といういばらの道を選んだ私には
致し方ないことだったのだが、縁もゆかりもないイギリスに住むことになるとは......

バタバタと過ごしがらもようやく生活が落ち着いてきたところで、待ち受けていたのは、コロナによる「ロックダウン」

しかもイギリスのロックダウンはまるで映画の世界!

街には人っ子一人いなくなり
スーパーマーケットと薬局のみが営業
不要不急の外出が禁じられ
職場に行くことも制限された。

あの時感じた得体の知れないものへの恐怖
しかも初期のころに夫婦でコロナに罹り
大変な思いをしたことも今思えばよい経験なのだが

ふと振り返ると、

あのときの非日常の生活が、
多くの人にとって、人生を考えさせられるきっかけとなったことも事実ではないだろうか。

今では動詞として使われるようになった「Zoom」
オンラインで仕事をするというスタンダードを
もたらしてくれたのは、あのときの出来事があってこそ。

だから「良い」「悪い」というのは、
片面だけを切り取っただけの世界なのである。


人間行動学との出会い

そんな状況下で、私は自分の生き方や人生を
一度立ち止まって考えることにした。

これは半ば強制的な力であったが、当時の自分には必要なことだったと思う。

「私はこのままでいいのだろうか?」

この時気づいたことは、私が長年心に大きな爆弾を抱えながらもそれを無視し続けてきたということである。

幼少期から傷ついた自分を無視して、
その事実をまるでなかったことのようにポジティブに変換し、へっちゃらな自分を演じて生きてきた幼い頃の私。

いつも冷静で落ち着きが合って
頼りになる私でいることが私なのだと

でも本当はそうではなかった......

もしかしたら、これを読んでいる方の中にも
ポジティブでいることこそが正義だと
思っている方もいるのかもしれないが、

本質的には、物事は「ニュートラル」であるということ。

事実として、世間で広まる過剰なまでの「ポジティブ信仰」こそ、多くの精神疾患に悪影響を及ぼしているとも言われているのだ。

「な、なんということだ!!!」

ポジティブ思考を美学に生きてきた
私にとっては衝撃の言葉だった。

心のどこかで長年生きづらさを感じていた
私にとって、大きなヒントを掴んだ瞬間だった。

私にこの教えを説いてくれた
師である北原万紀さん、

そして人間行動学の世界的な権威である
Dr.ディマティーニの功績には感謝しかない。

“世界はバランスでできている!” 

ここから時間を掛けて、
愛と感謝の世界へと導かれることとなるとは
このときまだ知る由もなかった。

つづく...


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