バス運転士の2024年問題と人手不足③
元警察官で、数回の転職を得て、現在はバス運転手をしている傍ら、講演講師として活動をしている者が、思ったことを書くつぶやきです。
私個人の見解であることをご理解の上、読んでいただけると幸いです。
前回の書き込みで、カスハラについて書くと言ったので、SNSに上がっていたものや、私が経験したことを紹介して行きたいと思います。
事例1
先日バスに乗った時のことです。
老婦人と中年女性の親子と思われる乗客が「空調が寒い」と運転手さんのお願いに行きました。
ただ「調整ができないと言われた」とのことで、たぶんエアコンの使用でオンかオフしかできないのだと思います。
さらにその女性「とっても対応が悪い。名前見たからあとでクレームを入れる」と息巻いてました。
これはほんの一例で、渋滞に加えて、こんな乗客の傲慢さに嫌気がさす運転手さんもいるんでしょうね。
事例2
遅れたらクレーム、急ブレーキをかけたらクレーム、休憩時間にバスの中で休憩していたらクレーム。
おまけに勤務中に水分補給したらクレーム。
事例3
運行中終点の駅に到着し、バスの降車場所に停める。
でも乗客を降車させたくても、バス降車場所に一般自家用車陣取っている。
乗客を降ろせずに、やむ得ずクラクションを鳴らせば、会社に苦情を入れてきて会社も苦情1とカウント(=賞与減額対象に響く)。
事例4
バスを発車させようと、右ウインカーを出しても、後続車は一切譲ってくれず。さらには、クラクションを鳴らして、バスの発車を妨害する始末。
挙句の果てには、バス会社に「バスがウインカーを出していなかった」とクレームを入れる始末。備え付けのドライブレコーダーで確認したところ、電話を入れてきた奴が発車を妨害するところか、後方から追い越していき、バスを捲るという顛末。バスは右ウインカーを出し、後続車は待っていた。
道路交通法第31条の2(乗合自動車の発進の保護)
妨害した場合、乗合自動車発進妨害違反 点数1点 反則金6,000円
事例5
バス停を発進しようとしたところ、音がしたので停車。ドアを開けたら「何で発車するんだ」と怒鳴りつける(実際は2分遅れで発車していた)。開けて乗車させたら運転手に対して恫喝し続ける。降車時に「お前の名前はなんて言うんだ。SNSにさらしてやる」と言って降車。
営業所に帰ってきたら、営業所に「運転手が恫喝されていた。助けてあげて」等と電話があり、ドライブレコーダーの画像を回収。
後日本人は営業所に苦情を言い、SNSに投稿することを言ってきたが、ドライブレコーダーの画像を確認していた事務方は、SNSに投稿したら告訴すると言ったら、黙ったとのこと。
事例1~3はSNSより引用。事例4と5は私の実体験です。
他にもいっぱいあり、あげるときりがないのですが(思い出すと体調が悪くなるくらいです)、これはごく一例です。
こんな態度等を運転手にしていたら、バス運転手の成り手はいないし、退職者が出て当然だと思います。
運転手がいなくなれば、バスを動かす人手がいなくなるので、当然減便・廃止の流れになってきます。
3~4月以降も全国各地でバスの減便・廃止がニュースになっています。
バス運転手の待遇改善等をはじめ、カスハラ対策をしっかりすること、住民もカスハラをしないこと等を肝に銘じておかないと、廃止・減便の流れは止まらないってことを理解して下さい。
どうすれば良いかと言うと、利用者(住民)の目で見ると、態度を改めること(これはバス運転手だけではなく、接客業全般にいえかと思います)、マイカーから今あるバスを積極的に利用する、法律(道路交通法をはじめとした各種法律)をしっかり守ること、廃止・減便になった地域の住民は、人手不足だけではなく、自分達(利用者)の態度等に問題はなかったか等、今一度見直して改めていかないといけません。と言うか実行しないともう間に合わないです。
廃止・減便になったと騒ぎ、バス会社は何をやっているんだと言うのではなく、そうなってしまった原因をしっかり見つめ直し、現実を受け入れていかないとダメだと思います。
今回はカスハラからみたバスの現状について書いてみました。
バス業界の現状については、また機会がありましたら、書き込みをしたいと思います。
カスハラ対策を含め、講演を聞いてみたいと言う方は、
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