シールド・リフレクトの是非

この記事で言うシールド・リフレクトとは、ナビカスプログラムの話である。
面倒なので、特段注釈がない場合は「シールド」と書かれている部分にはリフレクトも話に含まれると思ってもらいたい。

現在の対戦環境では、フォルダリターンが無制限なため、まずハメ対策が必須となる。
その結果、開幕100バリアか10秒無敵が高確率で付いてくるバグスタイル一択というバランスになっている事は過去に述べた通りだ。
また、バグスタイルはダークライセンスを組み込めることもあり、ダークネスオーラとフォルダリターンを併用するために、多くの場合ギガ+1をナビカスパーツかエキストラコードで組み込んでおり、必然的にシールドを組み込むことができない。
そのため、シールドを使う人があまりおらず、その強さが目立っていない。

しかし、フォルダリターンを禁止すると、ハメや逃げの強さが薄まり、バグスタイル以外のスタイルの使用率が上がるだろう。
そうなると、今まで陰に隠れていたシールドの強さが目立つようになる。

シールドの何が強いのか?という話をせずに是非を語るわけにはいかない。
エグゼ3のシールドは、タイミングよく連続で繰り出す事で、絶え間なくシールドを展開し続けることができる。
実際に1フレームの隙間もなく繋がる物なのかどうかは解らないが、少なくとも相対する側から見ると、シールドの絶え間は全く見切ることができない。
シールドを使う側が完璧であれば、隙間はないようにすら感じられる。

このシールドを破る方法はいくつかある。

・ブレイク性能のある攻撃手段で攻撃する
今更説明するまでもないと思うが、ブレイク性能のある攻撃であれば、相手のシールドを貫通してダメージを与えることができる。
ブレイク性能のあるチップの他に、ブレイクバスターを付けたロックバスターや、ブレイクチャージを付けたチャージショットでも良い。

・暗転チップでタイミングをずらす
暗転するチップを、相手のシールドが切れる直前に使用する。
すると、次のシールドの入力タイミングが狂うので、絶え間なくシールドを展開するのが困難になり、続けて暗転するチップを使えば高い確率でシールドを展開させずに攻撃を差し込むことができる。

・相手がシールドを展開できない時に攻撃する。
相手がバスターを撃った時や移動した時、チップを使った直後や、シールドを張らずにターンエンドしたターンの次のターンの開始直後のタイミングなどだ。
いずれにせよ、相手にシールドのコマンドを入力する隙を与えてしまうと意味がないので、暗転チップでの攻撃が必須となる。

と、まぁ一見するとシールドを破る手段自体は少なくないように見える。
が、実際にはそうでもない。
先ほどあげた3つの突破法の内、2つ目と3つ目は暗転チップでなければ取れない攻略法という時点で選択肢が狭い。
更に、2つ目の方法は正確性に欠けるため、確実に決めたい大技をこの方法で当てに行くのはかなりリスキーだと言えるし、3つ目の方法はあくまで相手が隙を見せた時にしか狙えない方法なため、成功するかどうかがそもそも相手依存だ。
そして1つ目の突破法だが、ブレイク性能を持っていて、なおかつ現実的に相手に当てることができるチップが極端に少ないという現実がある。
どういうことかというと、エグゼ3においてブレイク性能のあるチップの多くは、発射から着弾までが遅い。シールドを破れる攻撃=重たい攻撃=遅い攻撃というイメージから来ているのだろう。ホウガンなどが顕著だと言える。
対して、シールドは全体動作が20フレーム程度と非常に短い。仮に相手がシールドを展開するのと同時にホウガンを投げたとしても、着弾する前にシールドの硬直が終わって余裕で回避されてしまうのだ。
つまり、相手のシールドを破るには、ブレイク性能があり、シールドを張っている時に撃てば回避が間に合わない速さで着弾する攻撃手段でなければならない。
暗転チップであれば速さは問題ないが、非暗転でこの条件を満たすチップは無いに等しい。

話が逸れるが、プラントマンやフラッシュマンが強いのは、相手がどこにいても当てることができて、尚且つブレイク性能があるからだ。(もちろんマヒも強いが)
というより、本来ブレイク性能を持ったチップを全体攻撃にしてはいけないと思う。
ブレイク性能のあるチップは、代わりに攻撃範囲が狭くあるべきだ。
なぜなら、フラッシュマンのようにどうせ避けられない攻撃なら、食らうのは仕方ないと諦めてシールドを展開し続けた方が、ブレイク性能を持たない攻撃であれば防げるのでお得、ということになってしまう。
一方、例えばボウルマンのように相手と軸を合わせた時のみブレイク性能が発揮されるチップであれば、受ける側に避けようという心理が働く。ボウルマンは火力も高い方だし、割り切って全部食らうという選択肢はリスキーだ。
軸を合わされなければ大ダメージを受ける事はないのだから、動き回って避けようとする。すると、移動中はシールドが張れないので、ブレイク性能のないチップが刺さるようになる。
本来こういうバランスであるべきなのだ。

話を戻して、シールドの強みはまだある。
上記の、シールドを破れる攻撃手段に当てはまる攻撃がまだ他にある。
ブレイクバスターとブレイクチャージだ。
ブレイクチャージは、ヒートスタイルの火炎放射のように出が遅い物は見てから避けられてしまうし、ウッドスタイルのコガラシのように範囲が極端に狭いと扱いが難しいが、それでも相手のシールドを解かせる力がある。チャージ時間が長いが、エレキスタイルのラビリングなんかは、シールドを使う方にとってはそれなりに脅威だ。
ブレイクバスターに関しては着弾速度に関しては申し分ない。シールドをつけていてもシールドを張ろうなんていう気にはならなくなるくらいの破壊力はある。ガッツスタイルなら尚更だ。

だが、ここに落とし穴がある。
対戦tipsの記事でも同じことを書いたが、相手がリフレクトを展開していた場合、ブレイク性能を持ったチャージショットやバスターを当たると、ちゃんとダメージは与えられるのだが、リフレクトによる反射ダメージは発生する。
チャージショットはとても当てにくいコガラシを除くと、最も威力の高い火炎放射でも攻撃力は100だ。バスターならもっと弱い。
対して、リフレクトの反射弾の攻撃力は100固定だ。
つまり、リフレクトを装備した相手にブレイクチャージやブレイクバスターで勝負を挑むと、一方的にボコボコにされるのである。

更に、相手がシールドスタイルだと、リフレクトでダメージを反射された上で相手のHPが10%ずつ回復して行く。あまりにも部が悪い。
シールドでもこの回復効果は発生する。

つまり、
・暗転せず、着弾の遅い、ブレイク性能のないチップは全て無効化される。
・ブレイクバスターもブレイクチャージも無効化される。
・暗転するブレイク性能のないチップは相手次第では当たることもある。
・暗転しなくとも着弾が早いブレイク性能持ちのチップは有効。
・暗転するブレイク性能持ちのチップは有効。
となる。

ちなみに、非暗転の着弾が早いブレイク性能持ちのチップは、ブレイクハンマー、ストーンアームの直撃、ゼウスハンマーくらいしかない。
ゼウスハンマーは例によって全体攻撃なので、相手に当てるのは容易だが、ゼウスハンマーを警戒させてシールドを解かせる効果は期待できない。

暗転するブレイク性能持ちのチップは多少ある。
キラーセンサー、キラーズアイ、スチールパニシュ、リベンジ、ドリームビット(モスのみ)、あたりだ。
キラーセンサーとキラーズアイが大人気な理由がわかってもらえると思う。他に選択肢がほぼないのだ。

メガクラスチップになるともう少し増えるが、ポルターガイストやジェラシー、パンクなど、フォルダに1枚しか入れられないチップではフォルダ構築の柱にはなりにくい。
フォルダに複数枚入れられるメガクラスチップということならナビチップが候補に上がる。
フラッシュマン、プラントマン、メタルマン、ドリルマン、ボウルマン。
ギガまで含めればフォルテアナザーやフォルテGSプロトアームなんかも選択肢に入る。
でも、所詮これしか選択肢がないのだ。
シールドがあるというただそれだけで、これら以外の攻撃チップがほぼ死んでいると言っていい。
ボウルマンとプロトアーム以外全部広範囲攻撃じゃないか。シールドの抑止力になんかなりゃしない。
フラッシュプラントがなぜ人気なのかがよくわかる結果だ。

ちなみに、先ほど例に挙げたボウルマンは優秀で、ボウルマンのブレイク性能を警戒してシールドを解いた相手には同じコードBのブルースやダブルヒーローが刺さる。強いかどうかはともかく、駆け引きをしている感じがして上手く決まるとかなり楽しいのでオススメだ。

そんな訳で、シールドはとても強い。
使いこなしている人と使っている人があまり多くないだけで、その強さはほとんどの攻撃チップを殺してしまっている。
絶対に禁止にした方が良いとまでは言わないが、いくつかルールに制限をかけて対戦を楽しもうとすると、必ずどこかの段階で、シールドのせいでつまらないな…と感じるタイミングはあるだろう。
その時はシールドを禁止にする事も視野に入れてみてはどうだろうか。
なお、シールドを禁止にする場合は、セットでエレメントソニックも禁止にすることを推奨する。




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