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その前に…と書き始めたムスメの話が終わらない②

1週間会社を休んで、どうしろと?
急にやってきた1週間のバカンス。いつもであれば小躍りしたいところだけど、理由も理由だし…なんだかぽかんとしてしまった。
さてどうしよう?家でじっとしている必要もないし、どっか行こっか?と、とりあえず行きたがっていた図鑑ミュージアムへ冴えない顔をしているムスメを引き連れて行くことにした。

恐る恐る、平日の都心へ足を運ぶ。
東京駅から銀座。平日の足早に行き交う人々。
私もいつもはあっち側なんだよなぁと思うとワンダーランドに迷い込んだみたいな気分になる。国際フォーラム辺りを歩いていたら、あ~広い!自由だ!と羽ばたきそうになる。

突如降りかかった「不登校」という非現実を厄災と感じ、今いる場所から脱出するべく素手で足元を掘り始め、出口はこの先にあるぞー!とひたすら掘り続けていた。下へ下へ。気づいたらずいぶん下まできてしまった。でも縦に広がった場所からしか見えない景色を見ることができたから、その分ぐらいの意味はあったのかもしれない。

平日の午前中にムスメと同じくらいの、もしくはもっと大きい子供が親と連れ添い町行くのに遭遇すると、「あ、お宅もですか?」と変な親近感がわく。全然違うのかもしれないけど。デジタルの動物を専用の機器で捕まえるというリアルポケモンGOみたいな体験に2人で夢中になった。今度はもっと捕まえようね!とムスメと楽しみにしてたけど、しばらくたって再訪しようとした頃には閉館してしまっていた。

あっという間に1週間のバカンスは終わり、私は仕事へ、ムスメはそのまま春休みを迎えた。専業主婦の友達が「春休み最悪だよー早く終われー」と呪ってるのと真逆にうちは長期休みを祝福した。春休みよ、永遠に続け!
ふとみると、私だけでなくダンナも母も、もちろんムスメも春めいた顔になっている。人間って不思議だなぁ。貴方は公式に今日休みです。と言ってもらえないと安心して休めないのか。なんだかなぁ。

そしてやってきた2年生。どうなるかと思ったけれど、何事もなかったかのようにすんなり登校した。え?なんで?あの1週間の休み+春休みが効果あったの?

人が変わったように、その後やってきた運動会まで休むことなく登校し始めた。1年の時の先生はすでに退職されていたが、翌年の運動会を観に来てくれたらしく、1人ぶらつく私を見つけて声をかけてくれた。
「ムスメさん、よかったですね。」と、こっそり、きらきらした笑顔を向けられた。あんなに心配をかけていた先生が、今は心から微笑んでいる。私は完全に思った。あぁ、もうムスメは大丈夫だ。一件落着!何年かしたら、1年生の時に不登校になりかけたねぇ、と後から笑い話になるやつだ。

もちろんその後も具合が悪いとたまに休んだり、行き渋ることはあっても、ベッドから起き上がれないなんてことないし、私が着替えさせたり食べさせたりすることもなく、文句を言いながらも自発的に登校した。

今思い返してもあの2年生の1年間は何だったんだろう?と思う。
新しく担任になった先生は、しっかりした女性で、どちらかというと1年の時の先生よりも、子供の目からすると(大人の目からしても)、ちょっととっつきにくい印象の先生だった。ムスメが無理をしていないか用心してみていたが、むしろ本来のムスメの姿を取り戻しつつあるようにみえた。

入学したてから、学校ではきちっとしていなけらばならぬ!授業中の雑談など言語道断!と、騒ぐ同級生に鋭い眼差しを向ける、我が子ながらイヤなところがある子供だったと思う。私はもちろん、他の家族も学校ではこうあるべき!などと言った覚えもないのに、どうしてこうなったのだろう?もともとの気質なのか?何かの受け売りなのか?
我が子のことなのにことごとくわからない。

それが2年生になってからは、平気で宿題をやっていかなくなった。
先生に注意されないの?宿題はみんなやってくるものだよ、と諭すも、
「怒られないし、やってこない子もたくさんいる。」と真顔で私を睨みつけ、断固やっていかなかった。
先生から補習で残るように言われても、こっそり抜け出し、友達と駄菓子屋に小銭も握りしめて逃走する始末。このまま行くと、卒業式には窓ガラスを割るようになるんじゃなかろうか?
1年の時の優等生のような気質と2年のアウトローな気質は表裏一体だったのか、それとも同じところから生じているのか?
我が子のことなのにますますわからなくなった。

ジェイソンのごとく「不登校」が私たち家族の前に再び姿を現したのは、3年生になってすぐのことだった。「The不登校・2」!恐るべし不登校!
そして1よりもさらにパワーアップして帰ってくるのも、この手のシリーズのお約束だった。


書きたいことがあふれている。話はこのまま3年生まで書き連ねていたのだけど、長くなったので一旦ここまで。ふぅー。
なので終わらないムスメの話はもう少し続く。
ジェットコースターのような日々が続いており、文章が日々に追いつかない。書きたいことも思いつかないような穏やかな日々が早く来てほしいけど、まだまだ訪れそうにもないのは、困ったことなのか、嬉しいことなのか。日曜日。ちょっと一休み。


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