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その前に…と書き始めたムスメの話完結③

小学1年生から書き連ねて…いよいよ3年生!
(…こうしているうちに、私の第一次脱皮も終わって、ムスメはさらなる脱皮を始めているのだけど…急ぎます!)


2024年 春

親子共々、思い描いてたのとはだいぶ違ってた小学校生活も、早いもので3年目。担任となった先生は、子供達からも保護者からも熱狂的支持を集める人気のベテラン先生。ムスメも4月早々、「先生がさぁ、面白いんだよー」と言うので、私もお会いできるのを楽しみにしていた。

この頃には、次はいつ不登校の波がやってくるだろう…とビクビクすることもなかった。なんたって2年生で克服しているのだし。
だから保護者会にも会社を早退して意気揚々と向かった。

ちなみに1,2年生の時の保護者会も、会社を早退してもれなく参加していた。ムスメはイベント(運動会、遠足、社会科見学…etc)だけは参加していたので、意外とムスメの不登校を知らない方が多かった。とはいえ先生作成のクラスのスライドをみれば、そこにムスメはいないので、地獄の時間を耐え忍ぶ。それでも私が学校との最後の架け橋になる!と、謎な信念で無理やり参加していた。
そんなこともあったから、ムスメ以上にこの3年生の1年を楽しみたい!
願わくばこれまでできなかったような係的なものだって今年は挑戦してみたい!と燃えていたのだ。

学年の最初の保護者会は、一人一人自己紹介行われるのが通例だ。
私は最後から2番目だったので、言いたいことを頭の中にある程度思い描いて順番が来るのを待っていた。でも、他の保護者の方の自己紹介を聞き進めるうち、あれ?となった。

「◯◯は3人兄弟の末っ子で家では甘えん坊なんですけど、学校ではお友達に対して強く言ってしまうことがあって…どういう風に言えばよかったのかとか家で話したりしています。誤解されやすいタイプなので…」

あれれ?…あーそっか。子供の紹介か!よく考えれば当たり前なんだけど、準備してたのは、私が最近ハマってる本やラジオの話だった。あぶないあぶない…どうも私にはこういうところがある。
ムスメの名前を書くところに自分の名前を書いてしまって修正したことは数知れず。動物病院でペットのうさぎの名前書くところに自分の名前書いて、「梓ちゃんのお母さん〜。お会計お願いしまぁすー。」と呼ばれた時はどうか身分証の提示がないように!とバッグを握りしめた。

(教室に戻ります。)
慌ててムスメの紹介に切り替えるため、頭の中のノートを1枚素早くめくる。
えーと、えーと、えーと、えーとー
「では次、◯◯さんのお母さん、お願いします。」
「あ、はい!えーと…」
沈黙。みんな見ている。多分。
「…すごいなぁって思って聞いていました。皆さん自分の子供のことをよくわかってらっしゃて…。えっと〇〇は…すごく真面目すぎるところもあれば、不真面目なところもあって…えーと…私も考えてみたのですが、私には◯◯のことがよくわかってないみたいです。
でも友達が大好きなムスメなので、このクラスでも友達をたくさん作りたいと言っています。どうぞよろしくお願いいたします。ちなみに私は今ラジオ英会話にハマっていて朝早起きしてラジオ聴くのが楽しみです!」
尺が余ってむりくり自分の紹介まで入れてしまった。先生含め、みなさん微妙な反応されている…。あぁ、ごめんなさい。変な雰囲気にしちゃってごめんなさい。

「the 不登校 part2」やってくる!

映画は突然始まる。

「今日はどうしても休みたい気分なんだよね。」
1学期始まって間もない頃だった。
ちょっとした不登校専門家(自称)になってた私は、
(きたーーー!でも大丈夫。ここで騒いではいけない。最初が肝心。)

「そっかぁ、どっか具合悪い?」
「悪くない。」
「なんかいやなこととか、困ってることある?」
「何にもない。ちょっと疲れた。」
「じゃあ今日はお休みしようか。」

このやり取り。普通(普通ってなんだ?)だったら、
「疲れたぐらいで休まない!ママだって疲れてるけど会社に行くんだよ。世の中の人みんなそうやって生きていくのだよ。はやく行きなさーい!」
とでも言うんだろうか?
保育園時代から一緒のママに、
「〇〇ちゃんママは優しいから、怒ったりしないでしょ?」とか言われたことがあった。きっとそのママがこのシーンみたら、私は甘く見えるんだろうな。でもね、私が鬼になった姿を知らない。泣いて全力で拒否してるムスメを抱きかかえてマンションのエレベーターに乗せたこと、ランドセルを外に投げ出し、泣きわめいてるムスメを強制的に出させて鍵閉めて絶対開けなかったこと。強く出れば虐待と言われ、優しくすれば甘いと言われ(言われてないけど)、正解ってなんだろう?
今だってわからない。この時私が簡単に休ませなければ状況は違ったんだろうか?厳しい/甘いの中間ぐらいがいいのかもしれないけど、そんな器用なこと私にはできない。

「どうしても休みたい気分」は毎朝訪れた。1週間経ち、
これはいよいよまた始まった、ということを実感する。しかも、これまでは家にいてもどこか居心地悪そうにしていたムスメだけど、どんどん元気になっているように見える。休むのにどんどん抵抗がなくなっているのでは?
でも一つだけ家で満足できない要素があった。友達とイベントだ。
まったく理解できないけど、運動会に参加したいから、練習がある日だけ行く。遠足に行きたいけど、当日だけ行くと気まずいから前日は行ってカモフラージュする。私だったら絶対無理。イベント系は最も避けたいでしょ。後々調べたら、不登校にもいろんなタイプがあり、ムスメはイベント系というやつらしい。奥深いよ、不登校の世界。

でも、友達は難しい。まだケータイで連絡やり取りはしていないから、学校に行ってなくて、放課後の友達とアポをとることができない。たまーに友達がピンポーンと遊びに来てくれることがあると、すっとんで遊びに行く。
かといって、友達がいそうな駄菓子屋に行くのは怖いらしく、ばれないように変装までして近くまで行くも、そんなに親しくないクラスメイトがいると、そーっと帰ってきたりしている。あぁ、なんて不憫なムスメ!
(でもちょっと面白い。ごめんなさい。)
そこまでするなら学校行けばいいのに。と、頭の中の世論がうるさい。
でも逆に言えばそこまでしても学校に行きたくないってことでしょ。そんな言葉一つで動くんだったら、とっくに学校行ってるわ!不登校なめんなよ!
「駄菓子屋、行けなったよ…」としょんぼり変装を解くムスメをなぐさめながら、頭の中の世論と戦っている。心と頭が戦争だ。穏やかではいられない。

熱心な先生だったので、毎週連絡してくれたり、ある日は朝家まで迎えに来てくれようとしたこともあった。ムスメも先生が好きで、毎週話せるのを楽しみにしている。先生も慣れたもので「来週はこんなイベントをクラスでやろうと思ってるんだ。」とイベント型ムスメをうまく誘い出そうとしてくれる。「あ~それはいいかなぁ」と、やんわり断るなよ。先生の仕事はわからないけど、クラスに不登校児がいるというのは大変なんだろうな。通常業務プラス、ムスメのために時間を使っていただいている。本当にありがたい。

不思議なのは、過去3年間でダントツ好きな先生と巡り合えたのに、今回の不登校はこれまでとはレベルが違う。レベルというか種類が違う?
先生も、友達も、行事も好き。なのになぜ学校に行きたくないのか。
ムスメにきいても自分でももうまく説明できないようだった。スクールカウンセラーの方と話していても、これといった理由はみつからない。
(最近、オルタナティブスクールに通うようになってから、ぽつりぽつり学校の苦手なところを話すようになってきたのだけど…これはまた別のお話。)

こうしてイベント間近だけ出没するという登校スタイルを確立し、2024年が終わった。

2025年 冬

遠回りしたけど、↓につながります。

オルタナティブスクールに通うようになってからの日々も驚き続きだし、ついでに私の変化もめまぐるしく…書きたいことがまだまだ止まらない!
電化製品が一変に壊れるみたいに、いろんなことが同時に始まる不思議。電化製品を同じ時期に買いそろえてることが多いのが原因だったっけ?
「不登校」という事態から始まったようにみえるけど、必然だったのか?そうじゃないのか?
原因はわからないけど、この変化の波に上手く乗って、逆らわずに今は進もう。波に乗れていれば、気持ちよく遠くまで見渡せる。もがいて自ら溺れる必要なし!

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