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#159 一人一台端末を活用しよう

皆さんこんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
今回も記事に辿り着いていただき、ありがとうございます。
日々の気付きから、私の学校現場での経験や教育行政という立場から学校を見てきた経験を皆さんのお役に立てたらと思い、記事にしております。

熊本エデュケーションウィークから1週間、余韻に浸っています。
1月19日(日)のセッションでは、文部科学省初等中等教育課教育課程課長の武藤さんのお話を聞きました。
メインテーマは令和6年12月25日に出された、次期学習指導要領に向けての諮問についてです。
細かい内容等については、公開できないため話を聞いて感じたことをお伝えします。

学校や児童・生徒の一人一台端末の使用状況はいかがでしょうか。
おそらく何かしらの形で使用している学校が多いと思います。
GIGAスクール構想が打ち出された直後に、コロナ禍による休校措置が取られました。
そのため、一人一台端末の整備が急加速に進み、多くの自治体で端末が子供達に配布されましたね。
それが令和2年度から3年度にかけての話でした。
おかげさまで、端末整備状況は、令和6年12月に発表されたTIMSS2023の結果でもほぼ100%でした。

IEA国際数学・理科教育動向調査TIMSS 2023の結果(概要)より

https://www.nier.go.jp/timss/index.html

端末のリース期間は物や業者にもよりますが、大体5年から7年くらいです。
ということは、令和7年度一杯で端末入れ替えを始めなければならない自治体が出てくるわけです。
ということは、端末も無料で湧き出てくるわけではありませんから、予算を組まないといけないわけです。

コロナ禍に整備した時は、文部科学省の補助がだいぶ出ました。
当時私が所属していた自治体でも、教育委員会の予算の1.5倍が注ぎ込まれ、端末を全児童・生徒に配布しました。
つまり、その年度は2年半分の予算を使ったわけです。
ということは、物価上昇もあるため、2年後には同程度、いや、それ以上の予算が必要になるわけですよ。
これは自治体だけでどうにかなるものではないので、今回も文部科学省の補助が必要です。

ということは文部科学省も財務省に予算要望をするわけですよね。
武藤課長の話を、究極に簡潔に言うと、次のような状況と認識しました。
「財務省はというと、現在の一人一台端末の使用状況があまり良くないため、2025年度の状況を確認しつつ、2026年度に予算措置をどうするかを決定する」
とのこと。

確かに、学校によってはほとんど使われていない状況であったり、自宅に持ち帰ることができなかったり、使うのに教員の許可が必要であったりする学校があるのも事実です。
それぞれの学校やこどもたちの事情があり、そのような状況になってしまっていると言うことも推察できますが、財務省が欲しいのは「根拠」なんですね。

税金を使うわけですから、「使っていますよ!」と言う数値が財務省は欲しい。
現時点で財務省は納得していない・・・・。
となると、どうなってしまうのか・・・。

  • 調べ学習

  • 授業のオンライン配信(固定カメラでも十分)

  • 不登校の児童・生徒向けのオンライン面談

  • 入院中の児童・生徒へのオンライン配信

  • 外国籍児童・生徒に対する翻訳機能

  • 拡大投影機で見えない時に端末に映してみやすくする。

  • 実際の実験を見直す

というようなシンプルな使い方が、今後できなくなってしまうということです。
これだけでも損失が高いと思いませんか。

そう、何も凄いことをしなくてもいいんです。
生成AIの活用や、グラフィック作成、プログラムの作成・・・あげたらキリがないですが、取り組めたらいいことはたくさんありますが、全部やる必要はありません。

もし、まだ使っていない学校があるのであれば、簡単なことから始めてみませんか。
そうすれば活用率も上がり、上記のように困っている児童・生徒が学び続けることができる。
つまり、来年度(令和7年度)が勝負の年です。
次のようなことから始めてみてください。

  • 授業の振り返りの入力

  • 学級のアンケート

  • 生徒会役員選挙をデジタルにする

  • 長期欠席者へオンライン配信(固定カメラでOK!)

  • 繰り返し行う計算ドリルを端末を活用

私も、全てを一人一台端末で授業をしようと思っていません。
数学で、グラフの描き方を動画で見せたり、立体図形を見せたりすることも多いでしょう。
私は今でも授業をするなら手書きです。
なぜなら、放物線の頂点近くの様子は、細かく自分で点を取って感じることができます。
立体図形も、どんな順番で描けば見やすく描けるかななど、考えて描いてもらいたい。
ICTだと綺麗なものしか見せられない。
でも、板書で手書きをすれば、私も人間ですからうまくいかない時もある。そう、このうまくいかない時を見たり、自分で実感したりするから考え始めるんです。

と、少し話はそれましたが、ICTで全てを片付ける気持ちはありませんが、端末がなくてはならない児童・生徒が少なからずいるんですから、そのためにもみなさんで使っていきましょう。

武藤課長の話は他にも多々ありました。
こんなに充実した時間は久しぶりでしたね。
これからもこのような機会をつかんでいきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんにとって何か気づきがあれば嬉しいです。
それではまた次の記事で!


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