最近、宇宙に思いを馳せることが多くなった。 特異点から始まったビックバン、そして宇宙、万物の創造。 生物が、そして人間が誕生したことも奇跡と思える確率だと言われている。 宇宙の意識による創造。 私はその創造の一つであり、そして創造者の一員であること。 私は何をするために存在してきて、どのような役割を果たして消えていくのか。 いまだに明確な答えがわからない。日々の探求。 ただひとつ、過去の経験やトラウマに囚われたり、まだ起こっていない未来への恐怖に囚われた人を救いたいという気
ある町の入口に一人の旅人が立っていました。 長旅からの疲れか、頬は削げ落ち全身は埃にまみれていた。強い日差しがそそぐ、その町の入口は、太い二本の丸太が門をあらわすように地面に突き刺してあり、町の名前を書いたプレートが無造作に釘で打ち付けられていた。 旅人は足元に重たいバックパックを置いた。その中から擦り切れた地図を出し、自分が来た道を汚れた指でなぞってみる。 「どこから来たのかね?」 突然、しわがれた老人の声が旅人の耳に届いた。驚いた旅人は声のする方へ目を向けると、いつからそ