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Photo by
aibou_tachi2022
視線
ご主人様の膝の上に丸まって
ボクはずっとあちらを眺めてる
右へ左へ忙しく動くキミを
ボクはずっと静かに眺めてる
ボクにはよくわからない魔法のことばで
ときどきボクに語りかけてきてくれるキミは
たぶんボクとは違う生き物で
突然現れてにこにこと近づいてきて
ときどき背中を撫でてくれるそのとき以外は
たぶんボクとは違う世界にいる
ご主人様は膝にボクを乗せて
いつも誰か知らない人と話してる
おいでと言って膝に乗せてくれるけど
なかなか撫でてはくれない
ボクは顔を見ながらボクの世界のことばで
精一杯の声で話しかけてみるんだけど
たぶんボクのことばは届かない
キミはそんなときにこにこと近づいてきて
よくわからないけどよくわかる魔法のことばを
そっとボクに手渡してくれたんだ
ご主人様の膝の上で顔を見上げたら
またキミに気づかずに知らない人と話してた
もらった魔法のことばのこと
教えてあげようと思ったんだけどな
今日もまた膝の上で丸まったまま
あちらで忙しく動くキミを眺めてる
たぶんボクのことばはキミにも届かないけど
キミのことばは何となくわかる気がするんだ
今日もまた背中を撫でにきてくれたらいいな
魔法のことばをこぼしながら
また背中を撫でてほしいな