北風はどうなったのか

イソップ物語で有名な北風と太陽。
太陽に負けた北風はどうなったのか。
物語を考えました。

北風がいなくなった後

北風は太陽に負けた悔しさと恥ずかしさで太陽のいないところへ隠れました。
北風がいなくなったので毎日太陽の力でポカポカ陽気が続きました。

旅人は世界をぐるりと周りまた戻ってきた頃、季節は以前と同じ冬でした。
旅人はおや?と思いました。

『以前ここに来た時冬だけどポカポカ暖かな日だった。ぼくは暖かくてコートを思わず脱いだんだ。今日も暖かくてコートはいらないな。』とコートを脱ぎました。

その次の日も、その次の日もポカポカ温かな陽気です。今は冬。いつもならこの地域は寒くて北風がピューピューしている。
花は咲き誇り、山も青々としている。
動物たちも暖かな日差しを浴びてのびのび。
心なしか太陽はおつかれのよう。。。

旅人に気づいた太陽はお願いした
『旅人さん。実はあなたのコートを脱がせるために私と北風は勝負をした。私が勝って、北風はどこかにいってしまった。その後ずっとポカポカと照らし続けている。そろそろお休みをしたいのだ。北風を探してくれないか』

旅人は驚いた。
自分が知らない間に勝負があって、北風がいなくなって太陽が困っている。助けてあげよう!
そうして旅人は北風を探しに旅に出た。

旅人は探した。
北風がいそうな山や海、湖に沼。
しかしどこにもいない。
どこにいるのかとふと目をやるとそこには大きな洞窟があった。
洞窟の扉は大きな岩で塞がれてる。
洞窟の中からピューピュー音がする。
『これは北風が中にいるに違いない』

そう確信した旅人は
『北風さん、どうか出てきてください。あなたのことを太陽さんが探しています。』
しかし北風はピューピューいうばかり。
『あなたがいなくてとても困っています。』
全く北風は聞いてくれません。

旅人は困ったなと近くの足に腰掛けて
持っていた笛で音楽を吹きました。
北風はその音楽を聴くとピューピュー風をやませました。
『なんだか素敵な音がする』
ちょっと岩から見てみるとあの時の旅人がいるではありませんか。
北風は恥ずかしくなってまた洞窟の深くへ行きました。

旅人はしばらく音楽を奏でてましたが北風が少し止んだのに気づいたので、もっと大きな音楽を奏でることを思いつきました。
近くの村の人たちにお願いして村の祭りの音楽を奏でてもらいました。

北風は思わず村祭りの音楽とともにピューピュー風を吹かせました。すると岩が北風と共に動き出し、ついに洞窟の岩があき、北風が出てきました。
旅人と村人は大拍手。
北風は恥ずかしかったけれどみんなと一緒に音楽を奏でて太陽の元へ行きました。

『北風よ。あなたがいなくなってあなたの偉大さがわかりました。また冬に風を吹かせてください』太陽は北風に優しく言いました。

こんなに太陽が自分を必要としてくれてたなんて。北風は嬉しくなりピューピュー北風を吹かせました。

咲き誇っていた花は次の春に向けての準備を急いではじめた。青々としていた山は赤く色づいたかと思ったら葉っぱが落ちた。動物たちも眠る準備に急いではいった。

こうして静かな季節になった。
太陽は北風のお陰でゆっくりやすめた。
木々も動物たちもゆっくり休む。

またみんなで元気に会えるのを楽しみに。
北風はその日までピューピュー歌を歌ってる。

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