私の不思議体験①
子供の頃お盆になると母の実家へよく遊びに行って泊まっていた。古い農家の家で、すぐ近くにお墓もあって、お参りしてご先祖様達が道に迷わない様に曲がる所に線香を立てながら家まで帰って行くのが毎年恒例行事だった。
毎年、仏間の横の広い部屋でお布団を並べて家族みんなで寝ていた。その部屋には遺影がずらーっと並んでいて、母にあの人は誰?その隣の人は?とよく聞いていた。
総祖父母に大叔父、祖父母などなど。
大叔父は祖母の兄で戦争で亡くなったらしい。
黒縁メガネで口髭とフサフサとした顎髭のある目鼻立ちのはっきりした、なかなかのイケメンだった。
寝る前に亡くなった親族の話をして故人を思い出したりしてみんなで寝ていた。
夜中にふと仰向けのまま目が覚めた。
オレンジ色の小さい豆電球だけがついたままだった。私は1番左側の端で寝ていた。私以外みんな寝ていた。仏間は一番右側の奥で、寝ている部屋の左隣にも部屋があって、その部屋の襖は空いていて、その部屋はがらんとしていた。ふと、左側を向くと遺影の中そのままの真顔の大叔父が、そのがらんとした部屋に立っていた。私から2メートル位離れた所だった。遺影は上半身だけだが、そこに立っていた大叔父はちゃんとスーツのそろいのズボンを履いていた。目が合ったかどうかは覚えていない。
1秒位見た気がするが凄く長く感じたのを覚えている。
えっ?と思いながら正面を向き、また左側を向くと誰もいなかった。
寝ぼけてた?気のせい?寝る前に遺影見てたから影送りのカラー版になった?とか小学生ながら1人で考えていた。不思議と何も怖くはなかった。
小学校3、4年生の頃の事だったと思う。
大叔父を見たのはその時1度だけだった。
大人になって叔父さんに
「こんな事があったんだよーっ」
と伝えると
「お盆だったし、きっと元気にしてるか見に来たんじゃない?」
と言っていた。
生前会った事もない大叔父だけど、母や私の事も見守ってくれている気がした。
大叔父さんありがとう😊✨✨
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