職歴編その④~現場復帰してからの葛藤~
3年間の専従期間を終えて、所属校の教壇へと戻ってきました。
3年間の経験の中で、「教員の常識は世間の非常識」と言われる理由もわかるようになりました。しかし、否定的な意味ではありません。どの職業でもそうでしょうが、教員が習得しにくいスキルがあることや、世間の学校現場に対する誤った理解等、様々な要因で起きるものだと思っています。
そういうことがわかってきた自分だからこそ、できるだけ3年間で学んだことを現場に還元したいと思うようになりました。今回は自分の中の変化を紹介したいと思います。
①外部講師の活用
「餅は餅屋」。教員の専門外のことは、専門家に任せるのが一番。ということで、3年間で培った人脈をフル活用し、様々な方を講師としてお迎えしました。ありがたいことに、少ない謝礼しか準備できない中、「一度学校で話してみたいと思っていた」「生徒に話をするのは社会貢献だ」「実は先生に憧れていた」と温かい言葉をかけていただきながら、協力してもらえました。
中には、生徒が「また会いたい!」と熱望して、数回来てくださった方もいらっしゃいます。
②外の世界へのいざない
ただお話を聞くだけではどうしても受け身になりますので、専門学科の強みを活かして、校外活動にも積極的に取り組みました。自分がそうであったように、当たり前の日常から1歩踏み出すと、見えてくる世界が一変する喜びを提供しました。
③このままでいいのか?
いくら新しい取り組みを導入したと言えど、さすがに18年間同じ学校にいると、惰性で動いている自分に気づきました。何をやってもその先の未来が見えてきて、ワクワク感がなくなりました。
また、この18年間、進学率が上昇し、問題行動が減少してきたのですが、同じ志のもとで頑張ってきた先生方が次々異動されると、校内に停滞ムードが漂いだすようになりました。以前の話をすると「老害認定」されるようになり、周囲との意見も合わなくなってきました。
本当に自分にとって良い環境だったのです。みんなで協力して、意見を出し合い、誰かが助けてくれる。他愛もない話を気軽にできて、そのまま飲みに行ったりと最高の職場でした。
しかし、愚痴を言っても始まらない。「老兵は去るのみ」という言葉が浮かびます。
3年生を卒業させて、もうやり残したことはない。人生で初めての異動願いを出しました。