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バイト先のそば屋のカレーを再現する/やりたいことリスト#7

 一般的にそば屋のカレーというと、どんなものが想像されるでしょうか?シャバシャバした黄色いルーや、柔らかい玉ねぎとごろっとした豚肉、ほのかな出汁の香りなどが思いつくかもしれません。実際、このイメージは「蕎麦屋 カレー」と調べたものを、そのまま転記しただけです。
 私は学生時代、そば屋(兼定食屋)でバイトをしていたのですが、そこの賄いでよくカレーを食べさせてもらっていました。大学を卒業してからもたまにその味を思い出して、また食べたいと思うのですが、よくよく思い返すと初めに書いた一般的なそば屋のカレーと私が食べていたものでは味に大分違いがあるようです。というのも、私が食べていたのは、色がかなり黒く、そこそこ粘度があり、具はほとんどなく、旨味もあるけれど、それ以上にひたすら塩辛いカレーでした。こんなことを書くと、海苔の佃煮をご飯にかけて食わされていたのだと思われそうですが、カレーとしては大変おいしかったです。特にあの塩辛さが癖になり、舌をヒリヒリ痛めながらも、米を軟膏代わりに貪っていました。
 バイトを辞め、大学を卒業してからもその味が忘れられなかったので、最後に食べてから2年以上経過した今、記憶を頼りに再現してみました。当時の店長に直接レシピを聞けば労せず解決したのですが、「あの味が忘れられなくて…」と言うのも業腹だったのです。正直言うと、あまりに塩辛すぎて、旦那デスノートに投稿した方が喜ばれそうなレシピですが、ハマる人にはハマる味ではないかと思います。

材料(2食分)


ルー(※)        75g
玉ねぎ        中2つ
牛肉(豚肉でも可)  120g
赤ワイン       30cc
トマトペースト    大さじ1.5
出汁         430cc(水1.5Lに昆布7gと鰹節45g)
醤油         大さじ1
中濃ソース      小さじ1
塩コショウ      適量
ローリエ       1枚

(※)今回は杉本商店のカレーフレークを使用しました。おそらくバイト先で使っていたのが、そば屋専用の業務用カレー粉だったためです。

作り方

①玉ねぎを薄くスライスし、飴色になるまで中弱火で炒める。この時(炒める前か最中)、塩小さじ1.5を加える。かさが減って飴色になったら、トマトペーストを分量加え、加熱して水分を飛ばす。

②牛肉の水気をふき取り、塩コショウをまぶし、鍋に入れる。そこに肉が浸るくらいまで水を入れ、塩小さじ1.5も加える。肉が柔らかくなる(ヘラで簡単にほぐれるくらい)まで中弱火で加熱し続ける。水が足りなくなったら、適宜出汁を足す。

③肉がほろほろ崩れたら、①の玉ねぎも鍋に入れる。そこに赤ワイン、醤油、中濃ソース、ローリエを加え10分ほど弱火で煮込む。軽く味見し、しょっぱくなっていたらルーを加える。しょっぱくなければ、好みの加減まで塩か醤油かソースを足す。その状態からさらに10分ほど弱火で煮込んで完成。

感想



 何度も繰り返すようですが、味の感想を聞かれても、とにかくしょっぱいというほかありません。ただ、そのしょっぱさの中には、玉ねぎのうまみやら、牛肉のコラーゲン、出汁の香り、そしてルーの美味しさが詰まっています。こう書くと陳腐な感じがしますが、玉ねぎは一般的な家庭用カレーに使われる2倍の分量を入れ、牛肉もそうですが、かなり時間をかけて旨味を引き出しています。それに加えて、出汁も昆布と鰹節から取った上に、ルーは長年そば屋に親しまれてきたものを使用しました。
 とは言え、おそらくどこかの過程で楽をしても、そこまで劇的な味の違いは出ないと思います。牛肉を長時間煮込むのも面倒でしたし、前日の夜から昆布を水に浸さずとも顆粒のだしの素で置き換え可能です。興味を持った方がいらっしゃれば、簡単な方法でも試していただくのがおすすめです。

補足写真

 材料や調理過程の写真をそこそこ撮ったのですが、あんまりうまく撮れなかったので、補足としてここに載せます。作り方が分かり難ければご参照ください。

材料

出汁用の羅臼昆布


出汁用の利尻昆布
(当時のバイト先では昆布を2種類使っていたらしいです)


出汁用の鰹節(なんでもいいです)


材料一部 左のカレーフレークがポイントです。
(最初に作ったときは豚肉・人参を使いましたが、それでも美味しかったです)


調理過程


山盛りの玉ねぎが…


これくらいになるまで炒めました。


牛肉に水を張った鍋


出汁を継ぎ足しつつ溶かします。

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