聞きにくいことを聞く時に、気をつけていること
病院で入退院に関わる仕事をしています。
療養型の病院ですから、入院(転院)の前に、患者さんのご家族と面談を行います。この時、聞きにくいこと、伝えにくいことも話をしなくてはいけません。
私の部署に今年入った中途採用の人が2名います。この面談が一人でも出来るように教えているところなのですが、これが思ったより難しい。聞きにくいこと、伝えにくいことだからこそ、淡々と感情を入れ過ぎずにきちんと伝えることが大切と思っているのですが、これがなかなか難しいのです。
入院(転院)にむけた面談
総合病院であれば、救急車で来院した患者さんや外来受診の患者さんで入院の必要性があればすぐに入院となります。予約で入院するのは外来通院をしている中で治療や検査のために入院を予定する場合でしょうか。
私の勤める病院は、そういった総合病院に入院し、急性期の治療を終えたけれど、医療が必要で自宅や施設へ戻れない患者さんが入院(転院)をすることが多いのです。
つまり、総合病院から紹介されて入院となることが多いため、事前に家族と面談を行い入院予約を行ってから入院となるのです。
入院に向けた面談では、今までの生活歴、病歴の確認、今の病状についてどのように理解しているのかを聞かせていただくとともに、療養病院では出来る検査、治療が限られていることを説明します。
その中で、食事が摂れなくなったらどうするのか、また、延命治療についての考えについても聞かせていただいています。これは、療養型病院では積極的な延命治療を行っていないためです。
入院する前に、検査や治療の出来ること出来ないことの最低限の認識のすり合わせをしておくことは、入院後のトラブルを防ぐことにつながります。
あとは、保険情報や収入面の確認を行い、支払い能力があるのか確認をさせてもらっています。入院費の未納を防ぐためです。
新人さんがぶつかる壁
入院の面談内容はたくさんあるのですが、新人さんがもっとも苦手とするところが、延命治療に関することや収入面の確認のところです。
延命治療に関すること、食事が摂れなくなった時の対応についての話は、やはり専門的な話ですし、とてもデリケートな部分ですので、これはゆっくりできるようになればいいかなと考えています。
収入面の確認は、患者さんが高齢の方が多いので、年金収入の確認、必要に応じて預貯金の確認を行うこともあります。また、それに伴って医療費の減額対象者か、他の制度利用を受けているかなど、社会保険制度をある程度知った上で話をしないといけない場面もあります。
新人さん2名は、職種としては社会福祉士ですので、そういった面では得意なところかなと思っているのですが、なかなか聞くことに躊躇するようです。
年金額を確認する時に「失礼ですが・・・」とか前置きをしたり、申し訳なさそうに聞いたりするのです。
これは、かえって逆効果だと私は考えています。
自分の興味本位で聞いているわけではありません。仕事として聞いているのですから、胸を張って、淡々と聞くことが大切だと私は考えています。
聞く方が遠慮をすれば、相手も余計に話づらくなるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
患者家族と話をする時に気をつけていること
私は、看護師として仕事をし、今のような入退院に関わる仕事をするようになって、前職含めて15年以上が経ちます。
たくさんの患者さん、ご家族と話をしてきました。
私は、もともとすぐに感情移入をしてしまうところがあって、ある意味、冷静さに欠ける面があった時もあります。それでも、こころがけていたのは、相手に寄り添うということ。これだけは気をつけてきたつもりです。
そして、今50代後半になり、そこからもう一歩成長して、ある程度、淡々ときちんと伝えることをこころがけるようになりました。
患者さんの高齢化に伴い、それを支える家族の高齢化も進んでいるのです。回りくどい言い方よりも、率直に大切なこと、理解しておいて欲しいことを伝える技術が必要になってきていると感じています。
ですから、必要なことは遠慮せず、淡々と、きちんと伝える。
今、患者さんご家族と話をする時に、自分が一番気をつけているところです。もちろん相手により対応を変えています。
あなたはどんなふうに感じましたか?また、あなたが人と話をする時に気をつけていることがあれば、ぜひコメントで教えてください。