イントロダクション 排水溝へと冷たい水が流れていく。男は震える右手で、何かを拭い去るかのようにもう片方の指先を洗っていた。 濡れたままの右手で、瞼を触る。 鏡を覗こんだ男の顔は、心なしか目に光がないように見える。そして、男は自分だけにしかわからない何かを確認したことに満足したのか、ゆっくりと外へと歩き出す。 扉を開くと一迅の風が彼の頬を滑るように抜けていった。まるで、大事なものを奪い去るかのように。 3年前に死んだ妻から手紙が来た。 その手紙は亡くなったはず
最近、人は結局寂しさから逃げられないと感じる。 確かに友達といる時、誰かといる時は寂しさはどこかにいく。だが、ふと帰り道1人になるとひょっこりとそいつは現れて、僕の胸に居着く。 じゃあ誰かと会って満たせばいいじゃん、と思うだろう。だけど、誰彼構わず話しかけたりして、あんまり釣れない態度だと、寂しさは余計に拗れて、怒りに変わる。つまりはブチギレる。 うわっ、めんどくさ。 でもこの面倒くささ。なんだか身に覚えがないか。 うーん、なんなんだろうなあ。 そうだ。性欲に似
ラブソングが理解できない。 あれは『恵まれた容姿や綺麗な心の持ち主の娯楽』としか思わない。『恋愛』も同様。 若い男女の間の普遍的な法則。イケメン×美女の法則というものがある。名前の通り、イケメンは美女と付き合い。美女はイケメンと付き合う。今のところ、観察だとかなりの確率で的中している。 僕のような顔が中の下なんだか、下の下なんだかメタ認知を働かせてもわからん顔は恋愛参入権は基本的にない。 そこ。俺の顔を馬鹿にしたな、コス。 じゃあ、恋愛をしている人たちはイケメン美
どうすれば寂しさの苦しみを減らせるのか。 僕はここで重要なことをいうのだが、僕が発見したのは「めちゃくちゃ酷い寂しさ」への対処法であって、根源的な寂しさの話ではないということだ。つまりは根本治療でなく、対処療法なのである。湿布みたいなもん。それを踏まえて読んでほしい。 めちゃくちゃ酷い寂しさへの対処法。それは2つある。 1つ目は、人と比べる機会を減らすことだ。 僕の話をすると、僕は大抵SNSをやっている時やLINEのレス待ちをしている時に寂しさを感じることが多い。それが
7月18日。 空調が効いた教室。 5限目。数学。その日のわたしは色々調子が悪かった。冷房は故障で切れているし、数学の教師は特進クラスなのに宿題をやらない一部の生徒(わたしを含む)に対してブチギレているし、何もかも最悪だった。 「言った宿題をやってこないとか舐めてるでしょぉお?そんなんで受験受かると思ってんのっ!」 甲高い早口な声はただただ鼓膜を不愉快に振動させた。 「反省して下さい。反省!改心シテ!」 わたしは理の通ったものが好きだ。 そしてイタズラに感情的なもの
僕は劣等感がデカイ。 どれくらいデカイかというと、北海道ぐらいでかい。いや、北米大陸くらいデカイ。なんなら、ユーラシア大陸ぐらいあれかもしれない。 なぜデカイのか。それは世の中の人々の多くが、僕が悩むところで悩まないし、僕が立ち止まるところで立ち止まらないし、僕が恐怖で絶望するところで絶望しないからだ。 僕が七転八倒して苦しみ抜いていることを、平然と、当たり前に、やっている姿を見て、クソデカい劣等感はムクムクと育ってしまう。 中学校の頃、歩いていてなぜ地面が崩れて地
ライトノベルの新人賞に応募した。右も左もわからない素人だったから随分失敗したが、なんとか(当時9/30)応募をしてひと段落した。 振り返ると書いているときは、読み手の時とは全く異なる視点で物を考えていた。その時考えていたことをなるべく忘れないでおきたい。それに今後書いていくために反省点改善点はまとめておいたほうが、今後読み返したとき新たな発見もあると思う。だから、反省点と改善点、そしてやって得た知見の2つのトピックに分けて考えていこうと思う。 反省点と改善点・未完成だっ
人生初のコミケに行った。脱コミケ童貞には、23歳の一般オタクとしては遅すぎるような気もするが別にそんなんどうだっていい。オタクというアイデンティティを選択して、今を生きる以上、コミケにはいかんとなあ、というなんとなくのイメージがあった。だがそれもどうだっていい。行きたければ行けばいいし、行きたくないなければいかなければいい。 俺はたぶんオタクだと思う。key作品に感動してAIRからやり始めたり、とある魔術の禁書目録とか、物語シリーズを耽溺して読んだり、深夜アニメ見まくった
最近はkey作品をとりあえず最初からやろうというプロジェクトを自分の中に課している。ハマったというのが半分、もう半分は勉強のためというのが大きい。 やっていく内にわからなくなっていったことがある。 アドベンチャーゲームというゲームジャンルが好きな自分は、なぜそもそもアドベンチャーゲームが好きなのかということだ。 ぼくはオタクである。 エンターテインメントというものが好きで、基本的にそこにはあまり種類を選んでいないように思う。映画、アニメ、ゲーム、漫画、本等々。特にメ
筆者は大学生であるので、当たり前だが大学へ行く。キャンパスが御茶ノ水にあるため、郊外から通うととても時間がかかる。そのため、朝早くの授業の場合は秋葉原の快活クラブに寝泊まりしながら通うようになった。その結果といってはなんだが、秋葉原周辺にすっかり詳しくなった。といっても、肝心の店の方はお財布の問題があるため、全ての店を体験したというわけではないのだが。今のところ行ったところは、メイド喫茶フィーユ、駿河屋秋葉原店、ゲームショップ、ゲームセンター、快活クラブ、アトレ秋葉原店、秋
僕の大学ぼっち概論 去年までは僕はだいぶ大学ぼっちだった。友達は数えるほどしかいなかったし、遊びに行く友達はいないし、めちゃくちゃキツかったし、辛かった。何より状況を改善しようと動こうとしても、周囲のもうすでに出来上がっている集団に近づくのは困難に思えた。三、四人でわいわいやっているところに今更入っていけるほど勇気も自信もなかったのだ。 今年はどうか。状況は少々改善した。説明は省くが友達も数人できて、大変気が楽である。サークルにも入り、メイドカフェで知り合いを作り、怪しいバ
俺は負け犬である。 いきなり何言ってるんだという話だろうが、俺は負け犬だ。 3年間浪人して受験勉強を必死にやっても日大程度にしか受からない人間なのだから、負け犬を名乗る権利はあると思う。 世間では一番の人が注目されやすい。顔がよくて一等賞、勉強できて一等賞、スポーツできて一等賞。目立ってちやほやされていい気分そうである。自己肯定感も高そうだ。でも人は老いる。技術はすり減るし、頭の回転は鈍るし、顔に皺が増える。ああ、わかっているとも。やっかみだ。俺はやっかみだとわかって
丸亀製麺、つるんとしていて、麺が硬くて、うまい〜 麺がしこしこしてとかいう表現は卑猥に感じて使えない〜 あれ〜なんだが歌の雲行きが怪しいぞ〜 どーなっちゃうんだ〜 ずんずんずんずん 結論 吉幾三。 吉幾三か〜い!
よかった点 ・ただ泣かせてくる感動ポルノ的な作品かと思っていたけど全然違っていた。いやらしいかんじの泣かせ方はまったくなかった。 ・1000年前の平安時代の話。話としてはベタといえばベタだけど、凄いよかった。 ・どのシナリオのヒロインも魅力的でよかった。 ・美鈴の病。親しくなってしまった人間に呪いが降りかかてしまうって人間の心が生み出すストーリーの一つだよなあ。なんかこの設定についてよく考えることが多かった。なんでだろ。 ・AIRエンドを最終到達点にしたことで、ふつうのギャ
最近、イヤホンを外して生活することが増えた。 イヤホンをつけていると状態と外している状態で、世界に対しての向き合い方が変化するのではないか、というある種の確信を得たからだ。 『シン・エヴァンゲリオン』で碇ゲンドウの過去回想のシーンで、イヤホンによって外界のノイズを隔てることで、自分自身を守っていた、と述懐するシーンがある。なぜか、その言葉がやけに記憶に残っていた。物語の大枠のストーリーでなく、なぜかそんなふとしたシーンの言葉がすっと入ってくる、ということは読者諸氏もない