兎の水飛沫

雨上がり。
にんじん色の長靴で水溜りを蹴ると、水飛沫が透明な兎の群れになった。
お日さまの光を追いかけて、ぴちゃんぴちゃんと半月を描きながら水溜りの上を跳ね回る小さな兎たちと一緒に私も跳ねると、また新しい兎が煌めきの中で生まれる。

いつの間にか、足元は小さな虹でいっぱいだった。

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