2023年6月読了本・報告ポスト備忘録
※注意※
この記事は6月に私がX(旧Twitter)に投稿した読了ポストに加筆・修正を加えたものとなります。ご了承ください。
はじめに
前回投稿した10月分の読了一覧。あれから色々と考えて、いつ何読んだかSNSを遡るのもかなりめんどくさいという事実に気が付いた。ということで、何があっても1か月括りで投稿を纏めることにしました。まずは私がSNSデビューした直後の6月の記録となります。
『善の研究』
著者:西田 幾多郎
出版社・レーベル:岩波文庫
読了ポスト日:6月12日
普段読まないタイプの本に挑戦したが中々難しかった。この本には注釈が多い。本文中に引用された文言の解説は勿論、本文中に何度も出てくる「前にも言ったように」がどこのページの話かを1つ1つ丁寧に捕捉している。ページ数を惜しまない注釈の数に、出版社側の読者に快適に読んでもらおうとする工夫が感じられた。それがあっても尚内容を咀嚼出来なかった自分が悔しい。解説書を読んで理解を深めたり、機会があれば哲学に関する十全な知識を持ったうえで再読に挑戦したい。
『スパイ教室03 《忘我》のアネット』
著者:竹町
イラスト:トマリ
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:6月13日
ヤバい。めっちゃ面白い。昨日就寝ギリギリまで読んでた。前回出てこなかった残りのメンバーに焦点を当てた巻で、個々人の方針がぶつかりあってとにかくずっとハイライト。そろそろ終わりかな? と思ったら残り100ページぐらいあった。勿論ラストまで予測不能の全力疾走で展開が全く読めないと思いきやタネが分かると「あぁ~なるほど、そういうことかぁ~」と膝を打たせられる。これが毎巻ではなく1冊に複数あって、更にそれらが連動しているのが驚異的。4巻も購入済みなため、すぐ読もうと思っている。
『スパイ教室04 《夢語》のティア』
著者:竹町
イラスト:トマリ
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:6月13日
一言で纏めよう──極上だ。 冗談はさておき1~3巻のまとめのような位置づけ。各キャラの個性を活かしたバトルは戦局が安定せず常にハラハラさせられる。それに加えて1巻目を彷彿とさせるどんでん返しはギリギリまで気づかなかった。あと、この回で個人的に気に入っているのは本文前のカラーイラスト。普段とは違う衣装を纏った少女たちが、とにかくかわいい。
『アンデットガール・マーダーファルス 2』
著者:青崎 有吾
イラスト:大暮 維人
出版社・レーベル:講談社タイガ
読了ポスト日:6月15日
ひたすらに濃い。だけど不思議なことに胃もたれはしない。そのあたりの塩梅がきちんと調整されている。物語は前回から一風変わって探偵VS怪盗というどこか懐かしいスタイル。このパターンでしか味わえないリアルタイムの謎解きの緊迫感に目が離せない。間髪入れずに始まる後半戦も見物だ。1つのエピソードとしての完成度は勿論、シリーズとしても、重要な真相が判明したりして、一切隙が無い。
『アンデットガール・マーダーファルス3』
著者:青崎 有吾
イラスト:大暮 維人
出版社・レーベル:講談社タイガ
読了ポスト日:6月17日
そりゃいつもより長くなるわ、と納得してしまうボリュームの多さだった。人狼がいる地域で起こる殺人事件。閉鎖的な村の張り詰めた空気感は人狼ゲームの世界観が現実になったよう。全巻に比べると派手なシーンは抑え目なような気がするが、事件の雰囲気を考えるとこのくらいの空気感のほうがぴったりなのかもしれない。次回の前振りもいくつか見られ、それらが今後どのように物語に関わってくるかが気になる。7月発売の新刊が楽しみ。
本紹介の方も併せてよろしくお願いいたします。
『わたしの幸せな結婚 二』
著者:顎木 あくみ
イラスト:月岡 月穂
出版社・レーベル:富士見L文庫
読了ポスト日:6月18日
主人公の周辺の人物で固められた前巻とは打って変わって、登場人物が増え主人公の世界がより一段広がったような気がした。世界観の掘り下げが一気になされたが、各人のどこかもどかしさを感じる心理描写も健在。むしろ、今までの謎が判明・整理されたことにより、一層深みが増している。少しずつ、だが確かに成長している主人公にも目が離せない。
『わたしの幸せな結婚 三』
著者:顎木 あくみ
イラスト:月岡 月穂
出版社・レーベル:富士見L文庫
読了ポスト日:6月20日
待ちに待った(?)義父母初登場。名家の人間らしい一筋縄ではいかないような一面もあれば普通の人間らしい言動も見え、両社とも良いキャラ造形だった。おもしれー夫婦だった。また出てきてほしい。全巻まででも十分に縮まった主人公達の恋仲も更に加速していって「既刊だけでもまだ半分以上あるけどどこまで縮まるんだこれ……」と心の中で叫びそうになった。
『現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか』
著者:神永 正博
出版社・レーベル:講談社ブルーバックス
読了ポスト日:6月21日
主に約数十年前~現在に情報・インターネットで使用されている暗号の仕組みと利点・課題をまとめた1冊。主に数学の知識が多用されており、習った時には「いつ使うんだ」と疑問に思ったmodが活躍していたのが予想外だった。どれだけ情報量が多く複雑化した暗号でも、気息性を見つけて解読しようとする人々の執念も中々のものだった。こういうやり取りがあるからこそセキュリティは強固になっていくのかもしれない。注釈も豊富で気になる部分を詳しく捕捉してくれたのも良かった。
『教養としての日本古典文学史』
著者:村尾 誠一
出版社・レーベル:笠間書院
読了ポスト日:6月25日
ボリュームがえげつなかった。体裁こそは違ってくるが軽い教科書ぐらいはあった。時代ごとではなく世紀ごとの区分で解説されているため、蔑ろにされている時代がなく、歴史を余すことなく追体験できる。文学史は授業でちゃんとやらなかったというのもあってか大雑把に覚えている部分にも新鮮味を感じた。あと全体を読んでいて思ったのが、古典における和歌の立ち位置がめちゃんこ大きかった。時代の幅が広い分、文学のジャンルも多用な中でこの立ち位置を保ち続けているのってすごいな……。
『蟹工船・党生活者』
著者:小林 多喜二
出版社・レーベル:角川文庫
読了ポスト日:6月28日
蟹がビーム出す話じゃなかった! という冗談は置いておいて、終わり方は「それありかよ!」と叫んでしまいそうになった。でも、この話の立ち位置とかそんな感じのものを踏まえると一周回ってこの締め方が安牌なのかもなどと思ってしまった。物語そのものを楽しむことも大事だが、刊行当時の状況を踏まえて読むのもありかもしれない。特に『党生活者』の方は現実によった物語という感じがした。
『東京レイヴンズ 5 days in nest Ⅱ& GILR AGAIN』
著者:あざの 耕平
イラスト:すみ兵
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:6月29日
前回に引き続き日常回のスペシャルセット。題材としてはなにげないもののはずなのに、如何せん皆さんのキャラが濃いものだから毎度の如くカオスになる。その一方で今までに少しだけ触れられたことの詳細が判明・整理され、さらに、新たなキャラクターの顔出しもあるのが抜かりない。終盤&あとがきを読んで「これ……次から大丈夫なんですか? シリアス的な意味で」となってしまった。とりあえず日常回だけのスピンオフが読みたい。短編集もあるらしいからどっかのタイミングで買おうかな。
『彼と彼女の事業戦略 ~"友達"の売り方教えます~』
著者:初鹿野 創
イラスト:夏ハル
出版社・レーベル:ガガガ文庫
読了ポスト日:6月30日
レーベルを伏せれば新手のビジネス書に見えるな……と思って読んだら普通以上にラノベしてた。でもビジネスもしている。キャラクターのほとんどが経営者なのもびっくりしたけど、それぞれの方針がかなりはっきりしているからどのキャラも個性的だった。伏線? 回収も見事で、次巻に続く不穏な要素もあった。え、2巻目は8月発売! そんなに速くて良いのですか⁈ 個人的な事情で発売直後に買えないのが本当に辛い。
詳細な紹介文、あり〼。
1か月を振り返って
上旬の記録がないのに12冊はいくら何でも多すぎない⁈ どんなペースで読んだかも忘れてるから猶更不思議で仕方がない……。てか『スパイ教室』の読む速度異常に速くないかい? 何があったの? あと個人的には『蟹工船』を1日で読み切ってるのが信じがたい。数日掛けた記憶があるんだけど。ま、まぁポスト投稿日が正確な読了日じゃない可能性もあるし。時々時間がなくて後々書いてるときあるから。
これ1日から記録してたら何冊になってたんだろうか。それを踏まえるとここまで読んだ月はそうそう無いかもしれない。
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