GA4とUAの抑えておくべき5つの違い
従来のGA(UA,ユニバーサルアナリティクス)のサポートが2023年7月1日に終了します。UAからGA4への移行が必須となりますが、そもそも
UAとGA4ってどう違うの?
と思っている方も多いのでは無いでしょうか?今回はUAとGA4の各指標の違いに焦点を当ててお話したいと思います。
0.はじめに:セッション中心の分析からユーザー中心の分析へ
UAではセッション(訪問)が重要な指標でした。例えばこのランディングページのセッションを改善するのが良い、とかCV達成したセッションはどんなセッションか、というように「セッションを最適化」するというのがUAの考えです。
対するGA4はユーザーを重視した分析を行います。セッションを最適化する、というよりも「どのようなユーザーに来てもらうのが良いか」という考えのもと、最適な顧客のセグメントを探るためのツールとなっています。
ホーム画面を見ていただければ分かる通り、セッションに関しての情報がなくなっていることが確認できます
以上を前提に各指標について、UAとGA4ではどのような違いがあるかを見ていきましょう
1.セッション
まずはセッションについての定義の違いについて見てみましょう。
セッション時間
UA:最後のページが表示された時間ー最初のページが表示された時間
GA4:最後のイベント発生した時間ー最初のイベントが発生した時間
セッションタイムアウト(1回のセッションが切れるまでの時間)
UA:デフォルト30分(1分〜4時間の間で変更可能)
GA4:デフォルト30分(データストリームの「タグ設定」から5分〜7時間55分の間で変更可能)
最大セッションの長さ
UA:24時間
GA4:制限なし
日をまたいだセッション
UA:セッションが切れる(別のセッションになる)
GA4:セッションが切れない(訪問回数は1日毎に1カウント)
2.コンバージョン
UAでのコンバージョン達成の指標軸はセッションでしたが、GA4ではコンバージョン達成の指標軸がイベントとなります。
特定のイベント名やイベントパラメータを指定してコンバージョンを設定します。
また、UAではコンバージョン達成は1ユーザーが複数回条件を満たしても1日1回のカウントとなっていましたが、GA4では1ユーザーが目標を複数回達成した場合も達成回数分だけカウントされるようになりました。より実態に近い記録となり、ページの価値の判断の精度も向上することが期待できます。
3.流入元について
流入元が変わった際の挙動がUAとGA4で変更となっています。
UAでは流入元が変わった場合は新しいセッションと扱われていましたが
GA4では同じセッションとして扱われます。
例えば、下のユーザー行動にけるセッションのカウントの仕方の違いを見てみます
・Google検索結果を見る→自社サイトを訪問→離脱
・(30分以内に)広告を見る→自社サイトを訪問→離脱
UAは最初の離脱でセッションが切れますが、GA4ではセッションは継続しています。つまり、自社サイトで計測したセッション数がUAは2, GA4は1とカウントされます。
4.直帰率とエンゲージメント率
GA4では直帰率は廃止となりました。代わりにGA4ではエンゲージメント率という新たな指標が導入されています。
エンゲージメント(engagement)とは直訳すると約束、契約という意味となります。つまり、エンゲージメント率は直帰率とは真逆の意味となります(エンゲージリングといいますよね?)
エンゲージメント率は以下のように算出されます
エンゲージのあったセッション数÷セッション数
ここで「エンゲージのあったセッション」と判定されるのは下記条件のいずれかを満たしたセッションとなります。
①10秒以上滞在した
②2個以上のイベントが発生した
③コンバージョンイベントが発生した
5.平均ページ滞在時間と平均エンゲージメント時間
UAには平均ページ滞在時間という指標がありましたが、GA4で廃止されました。代わりにGA4では平均エンゲージメント時間という新たな指標が導入されています。
この2つの指標の違いについて見てみましょう
UAの平均ページ滞在時間
平均ページ滞在時間=総滞在時間÷閲覧ページ数
(例)1ページ目の滞在時間=2ページ目を表示した時間ー1ページ目を表示した時間
*1ページ目のみ閲覧して離脱をしてしまった場合は平均ページ滞在時間は0秒として扱われる(=直帰)
GA4の平均エンゲージメント時間
総エンゲージメント時間 ÷ ユーザー数
*総エンゲージメント時間はユーザーがページを見ていた時間。Webページの場合はそのページを開いているブラウザタブを表示している時間を計測する。
上記のように、平均エンゲージメント時間は平均ページ滞在時間よりも、実態に近い値となります。よって、そのページの評価をより正確に行うことが可能となります。
最後に
上記はGA4の機能のほんの一部ですが、とてもパワフルに進化したことがわかると思います。私はGA4はUAのバージョンアップ版ではなく、まったく別のツールであると考えています。GA4導入後もUAと同じ内容を確認したい、UAで作成したレポートと全く同じものを再現したい、と考えるべきではありません。新たな指標についての理解を深め、分析する側も考え方を改めることが何よりも重要です。
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