見出し画像

みっきーのリアル登山者の端書き#502『トンボから気付く、自分のバイアス』

カリフォルニア州の用水路で、一匹のトンボを見かけました。
色が鮮やかで少し気になったのでその場で写真を撮り、ホテルに戻ってから調べてみることにしました。

まず最初に「水色 細い トンボ アメリカ」で画像検索をしてみました。
そこで「ホソミオツネントンボ」という名称に行きあたり、アメリカでの分布を調べてみたのですが、学術名の「Indolestes peregrinus」で検索してみても、日本・韓国・中国という分布でしか見つけることができませんでした。

不思議に思い、今度はGoogleレンズを使って撮影した写真を検索にかけてみたら、今度は「Double-striped Bluet」という種名が見つかりました。
こちらはカリフォルニア州にも分布が認められていることがわかり、どうやらこの種である可能性が高そうです。
よくよく見ると、腹の水色と黒のパターンもこちらの方が近そうです。

虫の完璧な同定は難しいので、ここでは正解を得ることにはこだわりませんが、「一回目の調べ方では正解に遠く、二回目の調べ方では正解に近い」ということは言えるように感じました。
そしてその違いの原因は、言語のバイアスにあるように思います。

最初は日本語で調べてしまいましたが、二回目が画像からの直接検索なので無言語の検索となります。
物事を調べるときに日本語を使ってしまったがゆえに、検索結果が日本近在の品種に絞られてしまったということと言えそうです。

対象を観察をするときも、調べるときも、バイアスがあることで認識はゆがんでしまいます。
思考は言語に依拠するので、なかなかそれを失くすことはできませんが、「そうした傾向がある」ということを意識することで、より調査や観察の力を高めることとなりそうです。

これはきっと観察だけでなく人と関わるときも一緒でしょう。
日頃から自分が囚われているバイアスについて意識すること、大事にしたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?