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畑正吉 作「國民精神作興ニ関スル詔書」レリーフ
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『国民精神作興ニ関スル詔書(國民精󠄀神󠄀作興ニ關スル詔書)は、1923(大正12)年11月10日に大正天皇の名で摂政宮(皇太子裕仁、後の昭和天皇)が渙発した詔書』です・
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317939.htm
これを記念し、造幣局から出された畑正吉によるレリーフです。
左下に「畑正吉謹作」とありますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1720308617006-eSTLbeuKtl.jpg?width=1200)
作成日の記載はありませんが、同じく大正12年頃だと思われます。
揮毫は書家山口彦總(山口半峰)。彼は、1914(大正3)年に宮内省に入り貴重文書の浄書を行っていました。
このレリーフ、結構大きくて幅が50㎝程あります。
中心上に菊花紋章。詔書の周りに神々が描かれています。
岩の裂け目から漏れる光や鶏、踊る女神等々から、天岩戸の場面の様に思えます。天照が現れる様子と国民に与えられた詔書とを重ねた表現になっているのですね。
それよりもこの作品を見て思うのは、旧約聖書のモーセの十戒のイメージです。映画「十戒」は1923年製ですから、畑正吉が参考にしたはずないのですけどね。
神話のイメージというのは、古今東西変わらないものなのかもしれません。
ただ、大正12年は、畑正吉が欧州留学から帰って来た翌年。
右端の狭い範囲でありながら多様に見せる群衆の描き方の見事さなど、欧州で学んだ知識が生かされていることは確かでしょう。
単身の人物像の多い畑の作品ですが、こういった物語性のあるものは貴重ですね。