「インドネシア駐在時の住まいの見つけ方(2)」
前回に続き、「インドネシア駐在時の住まいの見つけ方」についてご紹介します。
<アパートを選択する時のポイント>
それぞれの家族によって異なりますが、ポイントとなりそうな点を挙げ、説明します。
1.家賃
2.立地
・日本食品取り扱いスーパーへの近さ
・ショッピングモールへの近さ
・通勤のしやすさ
・スクールバスが来るか
・モスクに面していないか(朝のお祈りが4:30頃から始まるため目が覚めてしまう)
3.築年数(新築でないか、古すぎないか)
4.階層(高すぎず、低すぎないか)
5.設備
・子供向け設備
・内装の好み
・家具家電の変更や追加が可能か
6.日本人の多さ
2の立地については、車社会にも関わらず渋滞が酷いジャカルタではとても重要です。すべてを満足する選択肢は難しいと思いますが、優先順位を明確にして適切に選択すべきです。
3の築年数については、日本と大きく事情が違います。ジャカルタでは、新築アパートに入居するということは、様々なトラブルを最初に引き受けることを意味します。水回りや空調や虫などの問題について、客のクレームが生じた時点でアパートマネジメントは対応を始めます。事前に想定して対応する、ということが無いからです。また、アパートのマネジメントや修理担当者なども、対応はインドネシア流ですので、約束の時間に来ないとか、作業した翌日にまた壊れるなどは日常茶飯事です。少なくとも、誰かが2年は住んだアパートが良いかと思います。
4の階層については、エレベーターの待ち時間や地震に対しての強度等もありますので、10階台が良いと言われています。
5の設備については、子供がいればプレイグラウンドがあるか、などがポイントになりますが、床が大理石ではないか、滑りやすくないか、なども意外と問題になることがあります。「子供の怪我のリスク」を考慮していないような設備が多い印象です。
6の日本人の多さについては、日本人が多ければ、家族同士が協力して情報共有したり、子供同士は一緒に遊んだりできますが、一方で派閥争いのようなことが起こったりという問題もあります。
<驚きの経験>
私は、初めてのインドネシア駐在時に、勤務先が指定したオーストラリア系の賃貸住居仲介会社の紹介を受けながら物件を選びました。今では、サービス過剰かもしれないと思える日本の不動産仲介会社しか知らなかった私は、やり取りするうちに仲介会社に対して不満を感じるようになりました。一番不満だったのは、仲介会社は彼らが保有・関与しているアパートしか私に紹介しないことでした。自分で調べた日本人が多く住むアパート等が選択肢にないことに不満を感じたのですが、彼らは客の利益ではなく、自分達の利益に準じていると思いました。そして、最も驚いたのは、契約書にサインした途端、次の日から仲介会社の担当者が私からの連絡を受けなくなったということです。おそらく次の仲介相手に注力していたのだと思うのですが、かといって、担当者の代わりに仲介会社自体が私に十分に対応してくれたかといえばそうではなく、最低限の対応でした。
この私の経験から言えることは、当たり前ですが、インドネシアの不動産仲介業というビジネスを理解し、加えて、すべてのインドネシアでの仕事がそうなのですが、「金にならないなら、サヨウナラ」という鉄則を知っておくということです。
(インドネシア/ジャカルタビジネスサポーター 中川智明)