あなたの一万回目、相手の一期一会
テーマパークで働くおにーさん、おねーさんたちがアトラクションでの演技を1日何回やってるんだろうと考えたことがある。
同じセリフを何度も何度も。
接客業で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」を繰り返す店員。
車内のアナウンスを決まった時間にする車掌さん。
毎日、毎日、毎日、同じ言葉を繰り返す人達。
どんな気持ちで繰り返すのだろう。
そんなことを考えていた。
毎日を人生最後の日と思って丁寧に過ごしなさい。
自己啓発本で私はこの言葉に感動し、そう思いながら生きている。
有名なフレーズなのではないだろうか。
人間いつ死ぬかわからない。
明日が当たり前にくると思わないように、今日精一杯生きよう。
確かにこの言葉の効力はすごい。
現に自分にも効いている。
いるんだが…
24時間そのモードでいられるだろうか。特に仕事をしている身だと、与えられた仕事のルーティンが今日も明日も明後日も続くと思うと。
今日が命日だと言われようが、全力疾走できるだろうか。
はっきり言うと続かないだろう。
「明日もするし、今日は手を抜いてもいいかぁ」「昨日も今日も明日も同じことするしなぁ」と考えてしまうだろう。
私も接客業の経験があり毎日同じ言葉を繰り返していたので、顔は笑ってても言葉に感情を乗せていなかった時が何回もあっただろう。
そんな時に、ある人物の言葉と出会った。
伏せる必要もないがディズニー経営者の世界的有名な方だ。
「相手にとって人生最後の日だと思って接しなさい」と。
年パス買って毎日行く人もいるかもしれない。ディズニーファンで年に数回行く人もいるかもしれない。余命数ヶ月の宣告を受けて人生最後かもしれない。私のように行ったことない人間からすれば1度も行かずに死ぬかもしれない。
見た目じゃ分からない。
自分にとって1万回目のセリフでも、相手にとっては人生最初で最後に聞くセリフの可能性もあるのだ。
手を抜けるはずがない。
一字一句、全力で発する彼らには敬意しかない。
それから仕事ではもちろん、自分に接してくれる相手の感情を受け止め、自分もまた丁寧に言葉を発するように決意した。
手を抜けるはずがない。
自分にとっては1万回目の「おはよう」でも相手にとっては最後の「おはよう」になるかもしれない。
毎日を丁寧生きよう。
自分が人生最後の日と思うように、同時に相手も人生最後の日かもしれないのだから。
蔑ろにできる日なんて一日たりともあるもんか。
だから、丁寧に生きよう。