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スイッチ
あなたのように器用でないから
昨日の気持ちを今日リセットして
簡単にスイッチをoffにすることが
私にはどうしてもできない
まだ余韻を残している
あの腕の感覚や
甘い囁きや仕草を
全部offして別の顔になることが
簡単にできない
あなたをとても器用な人だと思っていた
いけない恋をすることにも慣れていて
だからすぐに
スイッチを切りかえたりoffにしたり
できるのだと
冷たい人だと思っていた
だから心や気持ちは
その瞬間だけのものとして燃やして
燃え尽きたら忘れるのだ
そういうことが簡単に出来る人なのだと思っていた
冷たい人だと思っていた
私だけが切り替えられずに
スイッチをoffにできなくて
気持ちを引きずっているのだと思って
私の方が不器用だとさえ思っていた
今になって
もしかしたらそれは
真逆だったのではないかと思えてくる
あなたは不器用だからこそ
そのスイッチをonにしたままで
別の日常を迎えることが
出来ないのかもしれないと
私の方が器用だから
そのスイッチをoffにせず
別の日常に向かうことが出来るのかもしれないと
実際誰からも何も問われずに
あなたという人に出会う前と何も変わらず
同じ日常を過ごしている
それは言い方を変えたら多分器用だから
両立できているということ
あなたは
あなたすら気づいていないかもしれないけど
私が思うより純粋で嘘のつけない
不器用な人なのかもしれないと
この前の冷たさと
会えた時の優しさの
間で
私は気づいてしまった
あなたの不器用なところが好きなのかもしれないと言うことに