私の知り合いの知り合いの人、という実質、殆ど知らない人の主催でレストランを借り切って食事をすることになった。場所は吉祥寺にあるレストランで、漫画家の美内すずえさんの旦那さんのレストランだ。美内すずえさんは有名な漫画家さんで「ガラスの仮面」が代表作だそうだ。普段はレストランに顔を出さない美内すずえさんも、その日は特別に参加されるということで、参加者は盛り上がっていた。参加者の主張は一貫して、
「早く、続きを書いて!!」
だった。サインなどにも気軽に応じてくれていた。私は前日にマンガ喫茶に行って、慌ててガラスの仮面を全巻読んだところだったので、もうお腹いっぱいというか、続きは急がなくていいのにと思っていた。レストランの壁には本棚があり、美内すずえさんの蔵書が並んでいた。分野の偏り無く、色んな種類の書籍があり、面白かった。
レストランの料理は普通だった。途中で出た青いエビが苦手な味で、そればかり印象に残り、それ以外のものの味はよく分からなかった。他の参加者は、とにもかくにも「ガラスの仮面」の話題ばかりだ。私は「アマテラス」の方が面白かったので、その質問をしたかったが、そんな時間は与えられなかった。美内すずえさんは会えばわかる、バリバリの霊能力者だ。見た目は穏やかな風貌だけど、凄いオーラをまとっている。あちこちで神事をしているらしく、その関係の取り巻きも来ていて、次の神事の打ち合わせも話していた。
私は、なんでここに来たのだろうと思ったが、美内すずえさんの方から近くにいらして下さり握手して下さったので、図々しく、写真を一緒に撮ってもらった。
美内すずえさんの漫画「アマテラス」を読んでから、いつかヤマトヒメ様のお仕事もすることになるだろうなと思っていた。ヤマトヒメ様はヤマトタケル様の叔母さんにあたる人だ。
そんな時に友人から、ピンとくる伊勢ツアーがあるので行こうと誘われた。
外宮→滝原宮→伊雑宮→内宮→椿大社の順番で回るツアーだ。姫神様たちが
「ブラボー!」
とスタンディングオベーションだったので、即、申し込んだ。
美内すずえさんと撮った写真は私が左に、美内すずえさんが右に並んで映っている。でも、見るたびに左右が変わる。私が右に、美内すずえさんが左になったりする。誰かに言っても信じてもらえるものでもないが、楽しいので、時々見返している。今回の伊勢の旅はヤマトヒメ様のお仕事ですよね?と写真に問いかけると、うん、と返事した。テーマがはっきりしたら、準備するのみ。行けばいいって感じではない。どこに行くか、きちんと調べなくてはならない。
昔、ヤマトヒメ様がアマテラス様の鎮座される所を探して長い旅をした。その旅の途中で訪れた重要な場所を今回、私は廻る。しかも、どこのアクセスが悪く行きにくい。伊雑宮ひとつ行くのでのでも、電車だと一日に数本しかないので、効率的に廻ることは出来ない。ツターを企画してくれた人に感謝だ。
令和五年が内宮の別宮の倭姫宮に鎮座されてから100年だ。何か大きな区切りがあったに違いない。もう101年目だが、そういうことでなく、100年過ぎたということが大事らしい。