急な指示で、もうろうとした頭で選んだツアーは台北だけ回るものだった。しかも4日間もあるツアーだった。いろいろ間違っているのでは?と思ったが、姫神様たちが、このツアーでいいというので申し込んだ。
トランプ大統領が就任前にいろいろ気になることがあるなら、むしろ私は日本に居るべきでは?と思ったが、台湾に行けという。戦争が起こるんですか?と聞くと、そうではなく、現時点で得をしている人が、今までのようには得できなくなることが気に入らなくて暴れるからなんとかしよう、ということだった。人生も経済も浮き沈みはあるから、ダメになるからって暴れたりしないでしょう?と聞くと、残念ながら、そうでもない人もいて、自分が不幸になるなら、周りを道ずれにしたいと思う人達がいるらしい。それはとても迷惑なので、彼らの力を無力化しようということだ。しかも、日本の呪術を使うらしいので、日本から神様を連れてきて欲しいらしい。
日本が統治していたころは、台湾のあちこちに神社を置いていた。台湾神社は今は円山大飯店という一番有名なホテルになっている。風水でいうと、そこが龍の頭になるので、そこを制圧することは大事なことだったのだ。ところが、今はその頭と身体の間に大きな高速道路が出来ている。この高速道路によって龍脈が切られて、昔の台湾神社のあった、今のホテルのある所は、もう龍の頭として機能しない。では、どこにパワーが移ったんだろう。それを現地で調べなくてはいけない。パワーのある所でないと、不特定多数を巻き込んで混乱を起こすようなことは出来ないと思う。
当日は心身ともにボロボロで行った。
まずは行天宮に行った。水色の割烹着みたいのを着た人がお祓いをしてくれてた。いつでもしてくれるわけじゃないらしく、丁度、出会えてラッキーだった。ここは祀られている神様が強いので入り口を守る必要がないので、扉には108個の鋲が打ってあるだけだ。他の宮のように強そうな人の絵が描かれているわけではなく、なかなかにシンプルでカッコいいお宮だった。長い線香を持って背中、頭、お腹と香煙を焚きつけるように、さするようにしてくれて、祓ってもらった。賽銭箱すらなく、無料だった。
台湾式のお辞儀の仕方を教わり、フラフラになりながら祈る。私に乗ってきた神様が、ぞろぞろ降りて行くのが見える。だいぶ、沢山連れてきたから疲れたのかもしれない。
行天宮といえば、占い横丁が有名だ。日本語対応の店も多く、賑わっている。ちょっとだけやってもらったが、質問すら許されず、まくしたてられる。言い方は怖いが、内容はポジティブなアドバイスをくれる明るい占いで楽しかった。
台北101に移動する。20年前に出来た当初は世界一の高さを誇る商業ビルだった。花火大会の日はとても盛り上がるらしい。
1階から4階くらいまではブランド品の店が立ち並び、華やかだ。大きな柱が4本あり、それは龍の脚を模しているそうだ。それを繋ぐ鉄骨が龍の骨を模しているらしい。丁度、その下あたりに立って龍のパワーを貰った。
台北101に入っている不動産の会社が大谷翔平50-50の記念ボールを競り落とした会社だ。落札金額は日本円で6億くらいだそうだ。高い!と皆が騒いだら現地ガイドさんが
「高くありませんよ。なぜなら、そのボールが買ったというニュースで全世界に、この会社の名前が報道されました。6億円かけても、こんな宣伝は出来ません。とても賢いのです」
と言われて納得した。展望室に展示されていて、少し並んだけど、見れた。皆、思い思いにボールと写真を撮っていた。私は価値が分からないので、一応、ボールの写真だけ撮ってきた。
展望室からは360度、台北の様子が見える。今回、私は何をしに来たのか、見極めなくてはいけない。一生懸命、景色を見て回った。靖国神社で見た例の形が見えたので、どこなのか調べてみた。国父記念館という所だった。ここなら呪術をかけうるだけの場所だと思った。調べてみると改装工事中で入れないらしい。国父というのは孫文のことだ。日本に留学・亡命してことがあるし、中国の本土でも尊敬されている。孫文に対しての評価は分からないが、記念館の作りは、まずいなと思い、だいぶ遠隔ではあったが、「開く」を施した。