そしてスタートラインへ
オフィスと仕事の手配を終えて会計事務所との打ち合わせ
まず聞かれたことは資本金の額、資本金の調達方法、そして光回線の営業経験の年数です。
実はこの3つ日本金融公庫から融資を受ける際に必ず聞かれるしものすごく重要なことなのです。
例えば宝くじを当てて、全くの未経験での起業となると恐らく希望した金額の融資を受けることは非常に難しいだろうとの事。
融資を受けるのは会社が立ち上がって、法人の口座を作った後の流れになるのでここではその後の話はしないですがまぁ会計事務所との打ち合わせはつつがなく終わりました。
結構印象的だったのがその会計事務所、起業の時のサポートをたくさんしてきているので会社の印鑑の作成などをサービスで行ってくれているのですがその際に
「印鑑に何かこだわりとかありますか?」
と聞かれました。私は初期コストを可能な限り下げたいので
「全くないです。一番安いのでお願いします。」
と依頼すると
「よかった。あくまで傾向の話なのですが印鑑にお金を掛けたりこだわったりする方々って起業した後成功するケースって少ないんですよ。」
なるほどなぁと思いました。
会計士さんというくらいだから決して数値を無視した、という事を考えず話したわけではないと思いますのでおそらくそうなんだろうなぁと思います。
そして後回しにしていた真田君へのインセンティブの減額の報告をしました。
これもかなり緊張しました。
真田君たちをファミレスに呼びどう考えても前回話したインセンティブを支払うとどうしても経営できないという旨を報告しました。
そうすると真田君、それとは別にいくつかの要望と質問をリストにして持ってきていました。
正直頼もしい反面、恐ろしいとも感じます。
かなり慎重に、その上で出来ないことは出来ないとしっかりと話しました。
今後会社が回り始めてその上で「あの時、約束したじゃないですか」と言われて信頼関係が崩れることが一番のリスクです。
1時間ほど話した結果、最終的な回答をもらい私についてきてくれると言ってくれました。
こうして桜が芽吹き、肌寒いような暖かいような柔らかい風に吹かれながら2019年4月2日、遂に一つの小さな会社が東京に生まれました。
第一部 完