三つ葉のクローバー#11
僕は再び、いろめき立つキャンパス内をうろつく事になった。しかし、勧誘の期間もすでに半分は過ぎている。客引きのような上回生も、断られた人間に何度も声をかけることはしなくなっていた。
少し安心した僕は、同じ専攻の関本くんと学内を散策していた。すると急に、上回生の女性に「ちょっといいですか」と声をかけられた。普通の勧誘とは違い、僕のことを知っている風である。訝っていると、関本くんが何か勘違いして「用事を思い出した」と言ってそそくさと去っていった。
セミロングの黒髪の、芯の強そう