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久々のドラゴン桜

息抜きとして、久々にドラゴン桜を見た。
見ながら感じたこと、考えたことをつらつらと書いてみる。

まず、ドラゴン桜というのは、偏差値36のバカ学校である龍山高校が多額の借金で経営が困難であり、破産しそうなところ、何かしらの手段で再建しようとしたところから物語は始まる。
破産してしまえば、物語はこれでおしまいということになったのだろうが、桜木は今後の仕事のことも考え、龍山高校から東大5名の合格者を出すということを目標に掲げ、特進クラスを設置するようになる。

次に、設置したからには生徒集めというところだが、全校集会で演説したもののなかなか集まらない。水野(長澤まさみ)や矢島(山下智久)が候補となりそうだが、矢島の家が抱えている借金が300万円あることを知った桜木は理事長にお願いし、矢島とその300万円で矢島を特進クラスへ入れることに成功する。(普通に考えれば、矢島としては300万円もらえて東大に行くために勉強も教えてもらえるということで普通は信じられないような話のような気もするが。)
そして、生徒は予兆があった通りなんとか5人集まり物語は進んでいく。

ここで、個人的に感じたこととしては、龍山高校の生徒たちというか目標がないということは張り合いが生まれず、濁ったドブ川のような目をしているということが描かれているのではないかということだ。
実際にはそうした表現は使われていないが、吉野(新垣結衣)は元々女子ヤンキーのような集団とつるんでいるようだったが、外見は派手でわちゃわちゃしているが、実際にはなんだか退屈そうにしていた。これは目標もなく、人生に退屈しているということを表しているように感じた。
それに、水野に関しても、親が居酒屋をやっていて、その手伝いをよくしているが、本当にやりたいことではないような感じもする。親からこの店を継ぐのという風に言われて、ちょっと待ってよ、勝手に決めないでと反発していることからも本当はやりたくないということがわかる。
けれど、作品の中で何かに熱中してきたわけではないから仕方なく親の手伝いを今後もしていくのではないかということも示唆されている。
おそらく、水野に関しては、桜木と会っていなければそのまま親の店を継ぐという道を結果的に歩むことになっていたんだろうと思える。桜木以上のインパクトのある人との出会いがなければ別の道の可能性もあるが。
逆に、矢島や緒方に関しては、トランペットに熱中していたこともあり、目標が全くないというわけではなかったといえる。桜木が矢島に可能性があると見込んだのも熱中していたことがあるということでもあるが。

ということから、目標があることと、目標がないこととでは全く異なるということがわかる。目標があればそれに向かい努力することができるが、そもそも目標がないとダラダラと退屈に日々を過ごしてしまい、適当に生きることもむしろ自然といえる。

それは他の回でも同様で、東大模試でみんながE判定とわかった途端に生徒の心は折れてしまう。そこで、みんなは受験をやめるということを一度は決める。しかし、みんなは桜木の出した問題の答えを求めてやってくるようになる。
やめると言った後の描写としては、みんなは各自の場所で、トランペットを吹く緒方、河川敷で横になってる矢島、部屋でうずくまっている水野などが描かれている。けれど、当人の心の中ではどうしてもこれまでの努力を忘れられず、東大受験という目標が失われてしまうと過去の自分に戻るということが示唆されているように感じた。過去の自分に戻るということは、楽かもしれないが、刺激もなく、退屈で目標もなく適当に過ごしていた自分へ戻るということになるので、当人たちにとってはそれも気持ちの悪いことなんだろうと思える。

結局、全員が受験を続けるという決断をするようになり、一度折れた心が強くなり、再び問題へ向かっていくことになる。
そこで、いろんな壁と向き合いさらに逞しくなっていくわけだが個人的には頑張っている姿はかっこいいと思った。

今回は、ドラゴン桜という作品であるので、受験勉強ということが用いられているが、目標であれば基本的にはなんでもいいと思う。
個人的な観点としては、目標があることと、目標がないということには大きな違いがあり、前者は刺激的で面白く、変化や成長があり得るということ。後者は退屈で、面白くなく、変化がないように感じること。
もちろん、時には、目標なんかなく適当に生きていきたいという時もあり、ダラダラと過ごす時間があってもいいと思うが、全てがそうでは張り合いがない。だからこそ目標があり、目標達成のために努力することは素敵なんだと感じる。
受験勉強というものは目標というものを具体化したものにすぎない。
ということは具体的な目標としては当人次第であり、スポーツや趣味、本や小説、将棋やチェス、山登り、仕事、等様々なことがある。
今回はその対象が受験勉強だっただけだが、改めて抽象化してみるとそうした気づきがあった。
言い方を変えると、①現状維持ではなく、変化を求め、高みを目指していく生き方か、②現状維持で、今のままでいいという生き方
どちらを選んで生きていくかということになる。

あなたはどちらを選びたいですか?

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