ゼロを読んで
久々に堀江さんの書いた本を読み直していると少し気づきがあった。
それは、堀江さんって結構普通に不器用で、普通で、結構苦労してきた人ということだ。
テレビで見るイメージは言いたいことを思いっきり言って、スタジオや世間を騒がせ、それに対して心が何も揺れ動かずにメンタルも強いし、金もあるし、頭もいいみたいな結構強いキャラであると思っていた。
それは大人になった堀江さんはそうかもしれないし、確かにあるように感じる。けど、堀江さんを形成した環境や状況を見てみると、普通に田舎育ちで普通の家庭に生まれ、少し窮屈な環境の中で見つけ出したのが知的好奇心を満たしてくれる百科事典だったり、パソコンだったり、塾だったりということだ。
家族旅行ですら満足に行かない堀江家に対して苛立ちを抱えていた堀江少年は泣き出してしまっていた。それに、母親からはほぼ強制的に柔道をやらされたりする理不尽も受けている。
僕のイメージとしては、多少ストレスのある環境で育ったことは予想していたが、家族との関係は普通で、親もそれなりに頭が良くだから進学校に行かせたり、東京大学への合格もすることができたのだろうと思っていた。しかし、その予想は外れて、堀江さんは本当に親が特別頭がいいというわけでもなさそうだし、お金持ちだったという感じでもないらしい。
それでも自分の好奇心や一つのことにハマることにより色んなことを乗り越えてきたということがわかった。その一つにパソコンを通した仕事があるし、東京大学への受験があるし、起業することがある。
個人的に興味があった大学受験のページは結構少なく、シンプルなものだった。それは努力とかするという感じではなく、勉強そのものにハマるということだ。堀江さんらしい。笑
確かにその対象にハマればいやいや努力して勉強しなくても作業そのものが面白いから感情に左右されることなくその作業自体が楽しくてやっている状況になる。だから続けることができるのか。
努力といっているうちは成果なんか出ない。その言葉も堀江さんらしい。
対象にハマる。というシンプルな言葉だが僕には意外にもしっくりくる。
別の例で恐縮だが、大谷翔平は四六時中野球にハマっていると思う。アメリカの大リーグでスター扱いされ、二刀流を成し遂げていることを踏まえると、お金は有り余るし、今野球を辞めても一生困ることはないだろう。それでもなお野球に打ち込み続け、異性もつくらず、休日も外で遊び歩いたりもせず、球場で自主トレーニングをしているという姿はまさに野球にハマっているとしか思えない。
それほど、ある対象にハマるということは大きな力を持っているんだろう。おそらく大谷選手は野球のためにトレーニングをすることに対して努力という感覚はないのだろう。野球にハマり、筋トレにハマり、投げ込みや打ち込みにハマり、ひたすら野球に関わる全ての行動に対してハマっているからこそあれほどの結果が出るのだろうと思った。
他の例も考えてみると、迫田さおりという元日本バレーボールの代表選手がいる。今では引退してyoutubeをしたり、バレーに関する実況や普及活動に努めているが、彼女の現役自体のエピソードや話を聞いているとバレーを中心に動いていることがよくわかる。普通に人に比べればバレーに費やす時間が多いということは当たり前だが、テレビを見たりせずよく寝ていたという具合はバレーボール選手という感じだ。
話を聞くと普通のちょっと抜けてる優しそうな人だが、バレーをさせるとえげつない。そんな迫田選手もバレーにハマっていたのだろう。
このことからわかるのは、いかに目の前の対象にハマるということが大事なのかということがわかる。いや、目の前の対象にハマるというよりかは、すべきことにハマるということか。
やらなきゃというよりかは、要するに作業そのものにハマってしまえばいいわけである。〜しなくちゃじゃなくて、ハマってしまおう。そういう風にメンタルを切り替えてみると、少しは楽にすべきことに取り組むことができるのではないだろうか。
その対象は選ぶ必要があるが、自分をコントロールする言葉としてはいいのかもしれない。さぁハマろう。