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社内文書のコツとマナー

会社員生活で避けて通れない、文書での報告・連絡、会議資料取りまとめ、それに決裁文書の作成。
あなたの文章、ちゃんと読んでもらえていますか?
ざっと見ただけで突き返され、社内文書作成が鬱陶しくなっていませんか?


会社員生活も30年。その大半が書面での報告・連絡・相談の繰り返しです。文章の読み書きには、必然的にこだわりを持つようになりました。
私なりに普段気を付けている社内文書のコツとマナーについて記します。
少しでも参考になれば幸いです。


1.準備:4W1H

☆ どんな文書でも、まず最初に作戦を練らなければなりません。
  押さえておくべきは、以下の4つのWと、1つのHです。

Why:何のために書くのか?
What : 伝えることは何か?
to Whom:誰に読んでもらうのか?
When:最適なタイミングは?
How:必要なマナー、表現のコツは?

2.Why:何のために書くのか?

☆当然ですが、その文書の目的を意識しましょう。

例えば、説明・備忘メモなら・・・
☆あなたは小説家ではありません!劇的なストーリーは不要です。
● 客観的事実(数字・日付)、経緯、発言内容を忠実に書きましょう
● 不明点や限界はその旨を明確にし、主観や推測は排除しましょう

例えば、その説明で決裁や承認を仰ぐなら・・・
☆あなたは評論家ではありません!理解と賛同を促す説得力が必要です。
● 決断・承認するに足る根拠(検討結果、プロコン比較)を揃えましょう
● 突っ込みどころを予想し、想定問答的な内容を盛り込みましょう

3.What:伝えることは何か?

☆「イイタイコト」をとことん練り上げることが肝心です。
 書く前にまず、自分自身の理解が整理できていますか?
● 主張・論点をまず一言でまとめ、箇条書きで並べてみましょう
● それを裏付ける事実・背景、客観的根拠を整理しましょう
● 独善的でないか?論理に矛盾や飛躍は無いか?見直しましょう
● 諸々の内容が盛り沢山で、話が散漫になっていませんか?
 → 小見出しをつけて、内容を整理・分割しましょう
● 前置きが長く、まわりくどい言い方になっていませんか?
 → 最初に結論を述べ、次にその理由を列挙すると良いでしょう

4.to Whom:誰に読んでもらうのか?

☆あなたの報告相手は、たいてい忙しいものです。
 常に相手(読み手)の立場で考えましょう。
● 大前提は「ポイントを押さえた簡潔な表現」です!
● ここだけは読んで!という箇所を強調(太字、下線、マーカー)
● 相手はプロか?それとも素人?
 → 相手が持つ知識・情報量を想像した書きぶりを心掛けましょう
 → 特有の専門用語や略語には、ゆめゆめ気を付けましょう!
● 相手は目上の人?
 → 敬語はひとまず無視!「である調」で良いのです
 →「です・ます調」一辺倒や、「である調」との混在は避けましょう

5.When:最適なタイミングは?

☆書いた時=発信する時、ではありません!
 相手の状況、読んでもらえるのはいつになるか?を考えましょう!
● 速報性重視なら、内容は二の次。さっさと出しましょう
● 熟読の上でアクションを求めるなら、リードタイムを与えましょう
● 特にメール交換での返信のタイミングは、内容と目的次第
→ 一時の感情に任せた、相手のペースに合わせた即答は危険です
→ すぐ反応すべきか?じっくり熟考して返すか?戦略が大事です
→ 納期は勿論、相手の休日、就業時間、時差なども頭に入れましょう

6.How:必要なマナー

☆書き終えたら、必ず全体を読み直しましょう!
 推敲の過程で残骸は必ず残ります、決して書きっぱなしにしないこと。
● 誤字・脱字
 → 自動変換を疑いましょう!同音異議語は山ほどあります
 → 固有名詞の字体、人名・地名には特に注意しましょう
● 句読点が多すぎ・少な過ぎ
 → 「歌のサビの部分」くらいの長さが適切です!
● 改行が多すぎ、少な過ぎ
 → 話題の変わり目が、改行のタイミングと心得ましょう

7.表現のコツ

☆「ポイントを押さえた簡潔な表現」と言いますが、要は「どうでもい   い」ことを、徹底的に排除して書くことに尽きます。
● 同じ単語・表現の繰り返し、唐突な表現を避けましょう
 → 常に異なる言い方を探そう!「言い換え」こそ表現力の豊かさの証
 → 特別な用語・略語を使うなら、冒頭で説明・定義づけをしましょう
● ネガティブな表現、トゲのある言葉はできれば避ける
 → できるだけポジティブで、柔らかい言い回しが好ましいです
● 敬語が変(例:やらさせていただきます)
 → 敬語は難しい!まずは無理せず平易に表現し、後で考えましょう

8.小技

☆「簡潔かつポイントを押さえた記述」の内容が最も重要ですが、私が気を付けているちょっとした小技は・・
● スカスカにならないよう、句読点や改行、図表の位置に注意!
● 逆に余白が少な過ぎでも、窮屈な印象で読みにくいので注意!
● 推敲の過程で生じる誤字・脱字等、必ずトリミングを忘れずに!
● 改行幅・余白などのレイアウト調整で、全体的な見た目も綺麗に!
これらを駆使し「A4用紙1枚」に納められれば、理想的です。

いかがでしょうか?
ChatGPTという飛び道具に頼るのも勿論良いし、叶わないかもしれません。
でも、これらのコツやマナーを押さえて自力で書いた文書が、社内で役に立つことがあれば、普段の仕事の中でもちょっとした達成感、満足感、面白さを感じると思いますよ。

そんなあなたのお手伝いができれば、幸いです。


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