中学野球②:それも、野球。
噂に聞いてはいたとは言え、改めて愕然とした、中学野球部のレベル。
共に入部した選抜チームで一緒だった子も、ここで野球を続けることに疑問を感じたらしい。
その子と共に、前にも参加した軟式のクラブチームの体験練習会に改めて行ってみて、そこに入るか、部活に残るか、考えることにした。
やはり、クラブチームは、いい。
練習場所と時間はたっぷり確保されているし、先輩たちの打球はすごいし、みんな一つ一つのプレーがきちんとしているし、何よりコーチがしっかり手取り足取り指導して、練習に緊張感がある。
ここでずっとやれば、必ず上達するだろうな、と思った。
でも本人は、悩む。軟式チームに入るか、部活に残るか、結論が出ない。
野球のことだけを考えて選ぶなら、軟式チーム。
でも、同じ学童野球チームで共に頑張り、自分が背中を押して共に入部した友達を裏切れないから、部活を去るのは後ろめたい。
体験練習会に一緒に行った子に連絡すると、彼は軟式チームの雰囲気を気に入ったようで、入団を即決したという。
何だよ、簡単に俺たちを裏切るのかよという、やるせない思い。
痛いほどわかる。
親としては、どちらに行くのもいい、後悔しないと思う方を自分自身でよく考えて決めてほしいという以外は、あれこれアドバイスは敢えてしなかった。
考え抜いて出した結論は・・・
中学校の部活に残る、と決めた。
やっぱり、共に頑張ろうと一緒に入部した、学童野球チームでずっと一緒だった友達を、裏切れない。
次代の主将として早くも息子に期待をかけてくれている顧問の先生を、裏切れない。
やる気のない3年生は夏で引退する、その後は僕たち2年生が引っ張るから一緒に頑張ろうと言ってくれた先輩たちを、裏切れない。
考え抜いた末に、吹っ切れたようだ。
♪ 選ぶ道より 選んだ勇気じゃない? そう言ってくれた あなた ♪
DISH//の「沈丁花」の歌詞の一節を思い出した。
甲子園出場やプロ野球への道を見据え、高いレベルを求め、硬式球を使うシニアのチームでプレーする。
そこで集まった上手な子たちに揉まれ、指導者にも恵まれ、切磋琢磨して上達し、チームでのレギュラー争いや試合で勝つことを目指す。
それは勿論素晴らしい、野球の王道だと思う。
でも、下手くそやど素人の集団の中で、なんでオレがこんな奴らと一緒に?と思いながらも、先頭に立ってチームを鼓舞し、背中を押し、時に自分も助けられ、もがきながら必死に前を向いて頑張る。
それでもいいじゃない。
自分でそうと決めたなら、他人がどう言おうが関係ない。
弱くたって、カッコ悪くたって、いいじゃない。
あの選抜チームだって、最初はそうだったし。
それも、野球なのだから。
本人が敢えて茨の道を選んだ、という感覚なのかどうかは、わからない。
それでも、親としては息子の決断を尊重し、ただ応援するのみ。
♪ 最短距離をいけない自分だけの道のりを 蛇行しながら右左 ♪
高橋優「HIGH FIVE」の歌詞の一節。
それが自分が選んだ道なら、遠回りでも時間がかかってもいいと信じて、進んでほしいと思うのであります。
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ご紹介した2曲はいずれも、学童野球の卒団式で作ってくれたビデオのバックミュージックに使ってくれたもので、すっかりお気に入りの曲です!
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