【詩】教室
なにも言わなくてもわたしたち、分かり合えればいいのに
それはテレパシーだとかそういう表面的なものじゃなくて
お互いの心臓と心臓が繋がりあっているみたいなそういうこと
いや本当はわたしたちじゃなくて、わたしとあなただけの物語
白く淡い月光の下で佇んでる夜の教室にわたしとあなた
なにも見えていなくても、なにも聞こえていなくても、
お互いの温度を肌で感じて
なにも口にせずともわたしたち
共鳴するようにうなずき合う
歯車は嚙み合わなきゃいけない
パズルはお互いの形を補完しなきゃいけない
そんなまだるっこしい制約もすべて消え去って
わたしたち、組み合わさるんじゃなくて、溶け合うようにひとつになりたい
そんな風に思い描く真昼の教室の隅の隅
遠くからあなたを見つめるだけの
わたしの幻想