手にできること

人ひとりが一生において手にできることは限られている。

人生において選択肢は沢山ある。そしてそのうちどれかを選ぶと、それ以外は手に入らないことが多い。

女に生まれれば、男にはなれない。後天的に手術をしても限界がある。
有名人になれば無名には戻れない。
誰かと親友になるということは、他の不特定多数とは親しくならないということになる。
漫画家は売れる売れないがあり、作品の人気も平等じゃない。高橋留美子氏は出す作品出す作品がヒットする。
出す作品出す作品が世に出ない漫画家だってゴロゴロいるはず…というかそちらの方が多そうだ。
そんな高橋留美子氏だって、漫画業界からは出られない。漫画ばかり描いているから、漫画以外は手にできないのだ。
音楽活動や芸能人デビュー。料理やドラマ出演やスポーツを極めることがそうだろう。なにより休暇を得られていなさそうだ。
こうして世の中全体から見ると天下の高橋留美子氏や尾田栄一郎氏ですら、得られていないものの方が多そうだ。
VTuberは人気だが、結局YouTubeという仮想世界からは出られない。

莫大な資本を持ったイーロン・マスクですら、若さは手に入れられない。

有名人や成功者でこれなのだなら、僕らみたいな何物でもない人間は、得られなくて当然なのだ。
「もっともっと」では幸せになれないのが人の世の常らしい。