とある個人Vの話
続けていれば必ず芽は出る____
この言葉を信じていなかった。
ちょっとやって芽が出ない人は、いくらやっても芽が出ない。
キルシュトルテ
その男は、大手事務所であるにじさんじに所属する人気Vチューバー葛葉の《個人Vチューバー誰でも歓迎企画》配信に突撃してきた。
強い個性で期待の新人と言われていたが、上に載せた画像の通り、思ったより数字は伸びなかった。これは2年前の話。
僕はこの時点で「ああ、コイツはインターネット海の藻屑になったな」と冷めた目で見ていた。葛葉とのやりとりも、大物に合わせるため無理矢理背伸びしていた感があったから。
久しぶり…
たまたまGoogleのオススメカードに出てきた投稿主の記事を読んでいたら。
エッ!?あの海の藻屑キルシュトルテが急成長!?
チャンネルを見てみる。偵察だ!
ゲーム配信から路線変更して、猥談…つまり、エロ路線に転向。
これが功を奏したようで、分かりやすいくらい視聴者が増えている。
すごいところ
この人は良い意味でこだわりがない。少しでも伸びるジャンルを調査する勤勉さ。
やっていることに需要が無いと判断したら変える切り替え力の高さ。
できることを追求して、その上でやりたいことと求められることを完全に分けて考えられている。
ああ、やっぱり努力は必ず報われるんだなあ、と。
当然、ただダラダラ何も考えずやっているだけでは芽は出ないだろう。
サムネは同一で、ひたすら無編集の長時間ゲーム配信を垂れ流しているYouTuberなんてザラだが、何年経っても数字に変化はない。趣味なら良いかもしれないが、少しでも観られたいなら工夫をすべきだろう。いわゆる正しい方向の努力。
キルシュトルテは勉強しまくったんだろう。悔しいから。
向上意欲がある。それが工夫とためらいのない方向転換に繋がり、数字にも繋がった。
YouTubeは残酷なまでに数字をつきつけられるが、逆に言うと工夫の仕方が分かりやすいということでもある。
キルシュトルテの努力に時代が追いついてきた。
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