スパイファミリー編集者が語るヒットの法則
成功法則について考えてみる記事です。
林士平
やりたいことがなかったため、なんとなく集英社にエントリーし、採用される。
この時の採用を「採用側になったとき分かったが、運ゲー」「面接は相性」と語る。
たしかにそうなのかもしれない。けどこの人も有能だったんでしょう?
…と、調べたところ法政大学出身だった。
MARCH卒でも集英社に入れるんだ!!
ヒットメーカー
林氏はスパイファミリーやダンダダン、チェンソーマンの編集者である。
成功の法則を単刀直入に聞くと、運だと言う。
採用もヒットも「運」としか言わない。
本人曰く、何がヒットするか全く分からないのだそう。
素直でよろしい…が、身も蓋もない。
強いて言うなら
丁寧に作り上げていくことだけ。ひたすらそれだけ。
そしてマニュアル化しないこと。マニュアル化するとワンパターンになるから。
ノウハウも使い回さない。
大前提、宝くじと同じで、当てる気が無いと当たらないのは確か。
動機が「売れさせる」だと濁るので、「楽しませる」と思うこと。
そして調子に乗らないこと。ヒットしても自分の実力だと思わない姿勢が必要とのこと。常に自分の行動が間違っていると思い、慎重に進む。
《調子に乗ると成功確率が下がる》ということの詳細は説明されていなかったが、周囲のよく思っていない人間達に足元をすくわれるということだろうか。
昔のヒット作品
昔の作品は今見ても面白い。
林氏の見解だと、展開が非常に速いらしい。
幽遊白書が19巻、スラムダンクが31巻で完結していることを例に挙げた。
物語が圧縮されているということだろう。
…ワンピースは??こち亀は??
横展開にヒットなし
APEXが流行ればバトロワゲームを他会社がこぞって真似した。
8番出口ゲームが流行れば、他会社が8番出口のような謎解きゲームを作った。
バンダイナムコがヒーローアカデミアのバトロワゲームを作っていた。
よく分からないインディーメーカーが、謎解き電車内ゲームを作っていた。
でも流行ってない。
バトロワゲームだから流行ったわけじゃないのかもしれない。
コロナ禍…FPS…キャラクターデザイン…。
原因はわからないが、APEX人気の再現性はないことは確か。
真似して成功するなら、みんな成功している。
そんなに単純じゃない。
仮に全人類が同じやり方をして同じようなものを作っても、売れるのは一部だけだろう。
そのジャンルが人気なのではなく、その作品ひとつが人間なだけ。
スパイファミリーは家族ものだから流行ったと思われるが、似たような作品は他にもあったのだと林氏は語る。
見えているのは氷山の一角なので、生存バイアスみたいなものだろう。
メッセージアプリ《LINE》は国民的アプリになったが、他にもメッセージアプリはあった。Skypeやカカオトークなどだろうか。それらは流行らなかった。LINEのブッチギリ普及率。
しかしLINEが普及しまくったのも、運が良かったからだと林氏は言う。
たしかに会議アプリのZOOMも、コロナが無ければ全く流行らなかっただろう。
売れた要素を分解するのが危険
イチローの多大な功績の元をなんだと思うか。
毎日カレーを食べることだろうか。
変なTシャツを着ることだろうか。
違う。
だけどそう解釈している人は多い。
ものは違えど、その人の功績と、全然関係のない要素を短絡的に結びつけ、さも「この人の功績は〇〇だ!」と結論づけて思考停止する。
「その人だから売れた!」
でそれ以上考えるのは止めておくべき。
原因を分解すると誤った結論を叩き出すと思う。
才能がある人はどんなトレーニングをしても結果が出て、無い人はどんなトレーニングをしても無駄になることが、現実にはある。
もしかしたらイチローがカレーを毎日食べて能力を上げていることは事実かもしれない。だけど他の人はカレートレーニングなんて効果ない。
ポパイのほうれん草と同じ。ほうれん草でムキムキになるのはポパイだけでしょ?
正解は無いけど、不正解はある
棒人間とかで、壊滅的に絵が下手くそなら人気は出ないだろう。幼稚園児が描きましたみたいな。
で、ストーリーもガロ系ぐらいよく分からない。
絶対人気は出ない。
正確には、出る可能性があったとしても編集側が間違いなく許可しない。
扇風機おばさんを美少女の触れ込みでアイドルデビューさせるくらいの悪手。
ただ、結果論的なところがあるのは事実。
売れてから「あの作品は〇〇だから売れた」
みたいな岡田斗司夫評論みたいなのが流行る。
それが二番煎じに繋がるのかも。
くどいようだが、ヒット作品は再現性がないからこそ価値がある。
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