キュビスム・レボリューションfromパリ
2023年11月某日
パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展ー美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
国立西洋美術館
キュビスム。
語源はキューブ(立方体)。
とにかくカクカクした絵、というイメージを持っている人が多いかもしれない。
が、西洋絵画の流れの中でも結構重要な役割を果たした。
さらに、その後のさまざまな●●イズム(●●主義)へ大きな影響を及ぼしたキュビスム。
という話を以前、山田五郎氏のカルチャーセンター講座で聞いていたとはいえ。
「キュビスムONLYの展覧会はどうかな~キッツいかもな~」
とちょっと尻込み気味だったのも事実。
だからこそ敢えて行ってみた「キュビスム展」。
キュビスムの出発点・パリのポンピドゥーセンターから来ているということで、その始まりから展開していくさまを味わえる展覧会だった。
見ごたえたっぷり。ちょっとクラクラするくらい。
やっぱり実物はおもしろい!
コンテンツがぎゅっと詰まった入り口のパネル。
あの人やこの人、あれやこれやのイントロダクショーン。
●第1章 キュビスム以前 その源泉
セザンヌ、ゴーガン、ルソーがキュビスム誕生における重要な役割を果たした。
・セザンヌ …幾何学的、遠近法ガン無視、自分なりに再構築
・ゴーガン …プリミティブ、西洋的じゃあない文化への関心
・ルソー …自由、元祖アール・ブリュット
このあたりから、次の新しいムーブメントの息吹があったんだねえ。
●第2章 「プリミティヴィスム」
当時いろんな画家がはまったアフリカ彫刻など。結構エグいものも。
●第3章 キュビスムの誕生 セザンヌに導かれて
色合いや雰囲気がセザンヌの影響受けまくり。
これがキュビスムの始まりの絵なのだった!
●第4章 ブラックとピカソ ザイルで結ばれた二人(1909~1914)
ブラック談「私たちはザイルで結ばれた登山者のようでした」
かっこよコメント。まあとにかく、実験しまくりなスリリングな時期であることは間違いない。
本人たちは結構キャッキャした感じだったみたい。
ちなみに、ダニエルアンリ・カーンヴァイラーという画商がキーパーソン。
ピカソとブラックと専属契約していた。
●第5章 フェルナン・レジェとフアン・グリス
ピカソとブラックに続け!とばかりに若手もキュビスムを採り入れていく。
フアン・グリス好き。色がバチッとしてるからかな。
音楽モチーフが多い。ピカソとブラックもそうだけど。
キュビスムと音楽には密接なつながりがあるのだろうか?
●第6章 サロンにおけるキュビスム
ピカソとブラックはカーンヴァイラーの画廊で展示していたけど、若手キュビストはフツーに公募展(サロン)に出品していたとか。そこでキュビスムがいろんな人にまで知れ渡ることになったと。
●第7章 同時主義とオルフィスム ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
展覧会のメインビジュアルにもなっている。思ってる以上に大きくてビックリ。
キュビスムの手法とパリって街の雰囲気がマッチしてる気がする。
ルソーの影響があるってところがおもしろい。ルソー先輩の悦に入った顔が浮かぶよう。
●第8章 デュシャン兄弟とピュトー・グループ
今回の展覧会で一番グッときた絵。なぜだろう自分でも不思議。
フォルムで女性の色っぽさが伝わってくる。
色をそのままじゃあなくて、下に赤が塗られていたり、いろいろトライしてる感じも。
クプカ、今後も気にしていこう。
●第9章 メゾン・キュビスト
キュビスムの家。ピュトー・グループが関わっている。
●第10章 芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
モンパルナスの集合アトリエ「ラ・リュッシュ(蜂の巣)」。
フランス国外から若手が集まってきた。
●第11章 東欧からきたパリの芸術家たち
●第12章 立体未来主義
フランスのキュビスムとイタリアの未来派に影響を受けた「立体未来主義」がロシアで生まれたと。
●第13章 キュビスムと第一次世界大戦
カーンヴァイラーがドイツ人だったため、キュビスムとドイツを結びつけて文化侵略だとかなんとかで非難されるようになったらしい。
アポリネールたちは「キュビスムはフランスの伝統を受け継ぐフランス的な美術」として反論した。
●第14章 キュビスム以後
キュビスムはより平明で簡潔な構成へと変化。
わかりやすい=ぱっと見てわかるってのも、悪いことじゃあないと思うよ。
● フェルナン・レジェ、ダドリー・マーフィー 『バレエ・メカニック』
機械のバレエ。展示室で放映されている実験映画。映像のコラージュみたいな。
いろんなモチーフがポンポン映し出されていく、ちょっとしたトランス状態になれちゃうかも!
色味が無くて「分析的」な初期は、ぶっちゃけピンと来ないわ~と思いつつ。
そこを含めて実験があって、キュビスムとしてはおもしろいもんに発展していった。
そもそもピカソとブラックの学生のサークルのノリみたいな雰囲気で始まったみたいだし。
そこからいろんな世代や国に広まって一大ムーブメントになっちゃうんだから、おもしろいね!
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