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今につながるグルメな江戸のメシ

2025年1月某日
江戸メシ
太田記念美術館


なんやかんやあるけども、人生において美味しいものを食べることって、とっても大事。
と思う今日この頃。
1日3回、如何にしてなるべく美味しいものを食べて幸せ~な気分になるか。
だいぶ端折っちゃったけど、とにかくそう思う。

そこで、太田記念美術館の「江戸メシ」を観にいく。
江戸の庶民たちは、楽しむことに貪欲ってイメージ。
飲んで食べて遊んで。シンプルに欲望に素直。
メインだったり脇役だったりしながら、いろんなメシが描かれているかと。

見どころはこんな感じ↓
みどころ① 寿司、蕎麦、天ぷら ―浮世絵で味わう江戸メシ
みどころ② 北斎、広重、国芳 ―人気絵師たちが描いた江戸メシ
みどころ③ 料亭、屋台、家 ―さまざまな場で楽しむ江戸メシ

蕎麦


葛飾北斎 東海道 見附 浜松へ四里八丁

蕎麦を高く掲げて。
つゆのつけ具合にこだわってそう。めっちゃ集中してるもん。


歌川国芳 木曽街道六十九次之内 守山 達磨大師

「お客さ~ん、まだ食うんですかい?」って表情を隠さないフロアスタッフ。
まだまだイケそうな達磨さん。立派なお腹には蕎麦がつまってる


歌川国貞(三代歌川豊国) 当穐八幡祭

歌舞伎の一場面。3人とも決まってる~
この蕎麦屋、ただもんじゃあない気がする。
歌舞伎の一幕目の導入部でよく出てくる二八そば屋。
食材や道具一式が1人で担げるコンパクトにまとまっている。ポータブルなの。


四代歌川国政 志ん板猫のそばや

国芳とその弟子たちが得意とする擬人化。猫の蕎麦屋だにゃ。
蕎麦を作る様子から、店内の賑わいまで1枚にまとまってる。
お客の頭に蕎麦をぶちまけちゃうって、コントか。
「なにしやがんでい!」「あちゃーすいやせん!」
店先でつまんでる天ぷらも美味しそう。


歌川国芳 道外十二支 未

ヤギの蕎麦屋て。だいぶ変わり種。
蕎麦ではなく「紙なんばん」など紙メニューを食べているらしい。
ヤギだから。お手紙も食べちゃうくらいだから。


天ぷら


月岡芳年 風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗

魚の天ぷらをつまむ姐さん。縞の着物と表情が粋で艶っぽい。
ホントにむまさう=美味そうだな~
魚の天ぷらが食べたくなってくる。


寿司


歌川国芳 縞揃女弁慶 松か鮨

海老と卵のお寿司が美味しそう。
しかも品が良さそう、て思ってたら「松が鮨」は高級寿司屋とのこと。
子どもが待ちきれずに、弁慶格子の着物のおっかさんに「早く食べたいよ~」


歌川国貞(三代歌川豊国) 見立源氏はな乃宴

源氏物語のパロディ作品の一場面。花見でどんちゃん。
握り寿司にお刺身に伊達巻きに、酒と三味線でいい気分。
でも後ろでいろんなことが起こってそうな…


うなぎ、刺身、煮物、鍋料理、ちゃんこもアリ

料理もさることがら、姐さんの着物が粋で素敵だな~それぞれに。


獣肉鍋


歌川広重 名所江戸百景 びくにはし雪中

イノシシ、シカ、ウシなどを「山くじら」と言い換えて、こっそり獣の肉を食べていた。
わかるわ~その気持ち。うまいもんはうまいからねえ。


歌川広重 浄る理町繁花の図 しゃも鍋屋

シャモと、いろんな屋台。かしわ、茶めし、信田巻きなど。
売り手も客もみんな楽しそう。つーかみんな芝居の登場人物みたい。


歌川国貞(三代豊国) 十二月之内 師走 餅つき

なんとなくウキウキ感が。辛み餅用に大根スタンバイ。


歌川国貞(三代豊国)
川開の光景

枝のまま茹でるから枝豆。肘ついて気楽な雰囲気がいい。
ビールではなく、酒とのお供だったのかしらね。


歌川国貞(三代豊国)  十二月の内 小春 初雪

焼き芋って、江戸時代からあったんだ~
でもまあ令和の時代に焼き芋が流行るってのも、意外だけどね。


スイーツ


歌川国貞(三代豊国)  誂織当世島 金花糖

金魚の砂糖菓子に子ども興味津々。
背景が洒落てる~と思ったら、これ着物地の宣伝用チラシだって。そう来たか。


歌川国貞(三代豊国)・歌川広重
双筆五十三次 加奈川 従金川台芒横浜本牧眺望

団子を頬張るおっさんの顔がおもしろすぎる。
旅役者だよね?だから女物のヅラかぶってるんだよね?

魚・海産物


二代歌川広重  諸国名所百景 若狭かれゐを制す

カレイの天日干しがいっぱい。
鰈モチーフの浮世絵って、初めて見たわ。


歌川豊国 両画十二候 四月 三枚続

初鰹は高いけど食べたい。だからご近所でシェア。
今っぽいシェアとか助け合いの精神が、江戸の町中ではフツーにあった。
なにげにわんこがいっぱいいてほっこりするし。


歌川広重 鯛 鯉 鰹

江戸の三大人気FISH、なのかな?
しかし、初鰹への情熱がすごいよねえ。
北斎先生のビッグウェーブ・神奈川沖浪裏も、
一刻も早く鰹を運ぶために大波の中船を漕ぎまくってるんだよね~


二代歌川国輝  現如上人北海道巡錫絵図 歌棄
みんなで昆布引っ張ってわっしょ~い

歌川国貞(三代豊国)  伊勢の海士長鮑制ノ図

あわび大漁~
半裸で作業するたくましい女性たち。エンボスで表現されている。
特産物の熨しアワビを作っている。


歌川国芳 東都名所 大森
大森で海苔が採れたんだね



溪斎英泉  新吉原年中行事 十月恵比子講 玉屋内若紫
神戸東灘の剣菱の酒。粋な姐さん


歌川国貞(三代豊国)  十二月ノ内 水無月 土用干

つまみやすいカットスイカ。
西瓜もさることながら、姐さんと着物が素敵。土用干しだし


歌川貞秀 大江戸年中行事之内 正月二日日本橋初売

魚市場が日本橋にあったころ。
人も店も蔵も提灯も、みっちみち。

料亭


歌川広重 江戸高名会亭尽 山谷 八百善
太田南畝や酒井抱一など文化人が集ったというサロンde八百善


歌川広重 東都名所 高輪廿六夜待遊興之図

二十六夜の月に現れる阿弥陀三尊に拝むと幸せになれる…という説を信じて、それにかこつけてオールナイトで遊ぶ江戸の人たち。
人が集まるところには、商魂たくましく屋台もいっぱい集まる。
みんなウキウキでテンション高め。タコのかぶり物男も。


歌川貞秀 汐干狩の図

なんだかめっちゃ盛り上がってる潮干狩り。
ここでもちゃっかり屋台が。


歌川国貞(三代豊国)  十二月の内 衣更着 梅見
2月だから寒いと思うけど、酒をやりながら梅見で季節を先取り


溪斎英泉 江戸御殿山桜盛之風景
田楽売ってるけど、浮かれた酔っ払いは気づいてないっぽい


当地グルメ


葛飾北斎 東海道 鞠子

今も有名な丸子のとろろ汁。美味しそうにかっこんでいる旅人。
私も数年前に静岡に行ったときにいただいた。
スルスル食べられて栄養バッチリなとろろ、好き。


歌川広重 東海道五拾三次 桑名 富田立場之図
その手は桑名の焼きハマグリ。いい匂いにつられるんだろうな~


歌川広重 東海道五十三次之内 府中 あべ川遠景
あべかわ餅。ちょっと甘いもん食べたくなるよね~


余談

江戸の美味しそうなお料理をいろいろ観た後になんなんだが、
最近発見した店でスリランカカレーを食べたのだった。
美味しかった~

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